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車のトランクへ「置き配」日本は周回遅れ? すでに米Amazonは方針変更

日本は周回遅れ?

しかし今回の実証実験と同種のサービスは、海外で先行事例がある。プライムライフテクノロジーズ広報担当は「米国ではすでにAmazonによって実用化されている」と話す。

Amazonは有料のプライム会員向けに2018年、ボルボなどの自動車メーカーと協力して車内への配送サービス「Amazon Key In-Car Delivery」を米国の一部地域で事業化した。顧客から許可をとり、配達員がトランクや後部座席の鍵を開けて荷物を入れておくという日本での実証実験とほぼ同じ内容だった。19年にはホンダ車にも対応し、さまざまなメーカーの車種で使えるようになっていた。

Amazon米国法人が展開する「Amazon Key In-Garage Delivery」
Amazon米国法人が展開する「Amazon Key In-Garage Delivery」

だが今年2月11日の時点で、公式サイトでは車内への配送サービスを案内しておらず、配達先のガレージの電動シャッターを配達員が操作して内側に荷物を置き配する「Amazon Key In-Garage Delivery」を推奨している。Amazonの米国法人は理由を非公表としながらも、20年3月から同サービスを一時的に停止していると明かし「早急にサービスを再開する予定だったが、現在はAmazon Key In-Garage Deliveryに注力し新しいサービス、価値、イノベーションの提供に取り組んでいる」と説明した。

かといって日本での実証実験が“周回遅れ”だと決めつけることはできない。米Amazonがサービスを停止している「In-Car Delivery」は、位置情報を利用して、配達エリア内であれば車が自宅外の駐車場などにある場合でも配達するサービスだった。このため配達員が車を探す手間が大きかったとみられる。一方、今回の実証実験は配達場所となる車の位置が住所と一致している必要があり、かかる手間は一般的な置き配とほぼ同等だ。配達場所と住所の一致は米Amazonが注力している「In-Garage Delivery」も同じことで、日本は“回り道”をせずに済んだとの見方もできる。

配達員が解錠できるカギをトランクに限定し、利用者があらかじめ私物を入れておかないよう気を配れば万が一の盗難リスクも抑えられる。「車を活用した安心な置き配」が可能になると、コロナ禍以降で社会的な重要度が増した「エッセンシャルワーカー」にあたる配達員を疲弊させないという点でも意義があるだろう。

日本流の車内配送サービスはまだ模索段階。KDDIとトヨタは「米国での例にとらわれず、実証実験で日本における課題を抽出して、4社でできることを考えていきたい」と口をそろえた。プライムライフテクノロジーズも参加者から感想を聞き、新しい置き配が社会に受け入れられるかを検証していきたいと話している。


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