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アパホテルが福岡で存在感、コロナ禍に積極出店

福岡市中心部でアパホテルが積極出店を続け、存在感を増している。新型コロナウイルス禍にもかかわらず、昨年には6棟が開業し、フランチャイズ店を含め10棟となった。全国でホテルを展開するアパグループにとって福岡はこれまで空白に近い地域だったが、適地があれば即断即決で投資し、コロナ禍でも計画変更はしなかったという。福岡に積極出店するアパグループの狙いとは…。

記者会見するアパグループ代表の元谷外志雄氏(中央)と妻でアパホテル社長の芙美子氏(左)
記者会見するアパグループ代表の元谷外志雄氏(中央)と妻でアパホテル社長の芙美子氏(左)

福岡市内10棟目として昨年12月、「アパホテル博多祇園駅前」(博多区)が開業した。市営地下鉄祇園駅から徒歩1分で、博多駅にも近い好立地。部屋には大型テレビを置き、映画やアニメなど200作以上が無料で見放題のサービスも提供する。

10棟目のオープンで、福岡市中心部のアパホテルの客室数は計2400室となり、同市内で有数のホテルチェーンとなった。

アパグループによると、現在は10棟のうち6棟が、新型コロナに感染した軽症者らの宿泊療養施設や一時待機施設として利用されている。営業中のホテルについては、1月以降は新変異株「オミクロン株」の感染拡大の影響で厳しくなったが、いずれも一定の稼働率を維持していた。宿泊するごとにたまるポイントをキャッシュバックする会員向けサービスがビジネスマンの囲い込みにつながり、日帰りプランもテレワークなどで利用されているという。

福岡市内10棟目として開業したアパホテル博多祇園駅前
福岡市内10棟目として開業したアパホテル博多祇園駅前

アパグループは平成30年10月から令和2年1月にかけて、同市内6カ所でホテル用地を取得していた。コロナ下の宿泊需要減少で同業他社が事業計画を見直すことをチャンスと捉え、予定通り出店を継続。東京や愛知などでは収支悪化で西日本鉄道が売却した「西鉄イン」を取得した。

アパグループの元谷外志雄代表は「福岡には潜在需要がある。西の玄関口としてアジアからインバウンド客が入り、国内観光でも福岡を拠点に九州をまわれる。東京と福岡に今後の展開を強める」と語る。

アパグループが掲げるのが「ドミナント戦略」だ。一定エリアに集中出店して地域に浸透し、優位性を確立する手法で、チェーン店などで展開されている。系列店で客を奪い合うデメリットはあるが、アパホテルの宿泊を希望する会員の囲い込みや、施設管理の効率化、スタッフの集合教育などの利点を踏まえ、この戦略を進める。

元谷氏は「最近はホテルの売り物件も出てくるようになった。当社に名前を変えたとたんに赤字が黒字に変わる。良い土地に恵まれれば、さらにホテルを増やしたい」と述べた。元谷氏の妻で、アパホテル社長の芙美子氏は「アパは代表を頂点に経営力も組織力も他社とは違う。先見力や苦境でもチャンスと捉えられる胆力もある」と自信をみせる。

アパグループは、提携ホテルや建築・設計中を含め国内外で約10万5千室を展開。「国内で圧倒的なナンバーワンホテルチェーン」を目標に掲げ、令和7年3月末までに15万室に増やすことを目指している。

福岡市は九州の経済や周遊の拠点で、アジアの窓口でもある。平成30年度から令和元年度にかけては、東急不動産グループやJR西日本グループなど県外企業のホテル進出が相次ぎ、JR九州が高級ホテルを新設するなど開業ラッシュに沸いたが、観光需要の減少で一服感もある。

他社が新規展開に二の足を踏む中、アパグループは宿泊需要は近く確実に回復すると見込んでおり、逆風下の積極投資で業界地図を塗り替える構えだ。(一居真由子)


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