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約110キロになった信越トレイル 「触れ合いも旅の魅力」

信越トレイルクラブ事務局長 大西宏志さん(48)

信越トレイルクラブ事務局長の大西宏志さん=長野県飯山市(原田成樹撮影)
信越トレイルクラブ事務局長の大西宏志さん=長野県飯山市(原田成樹撮影)

長野、新潟県境に連なる遊歩道「信越トレイル」が昨秋、13年ぶりに約30キロ伸びて約110キロになった。管理するNPO法人、信越トレイルクラブ事務局長の大西宏志さん(48)は、学生時代に訪れたニュージーランド(NZ)の取り組みに感銘し、トレイルの開拓から関わってきた。

大学では観光地理学を学び、休学してNZに行きました。現地のトレイルは、3泊4日などをみんながほぼ同じ行程で回り、山小屋で相部屋だったりしてコミュニケーションが生まれます。今も思い出すのは、ああいう人に会った、こんないいことしてもらったなど。自然を求めて行ったのに、逆に「人と出会うために旅をしている」と感じました。

当時の日本は、登山は盛んでしたが、トレイルという言葉もなかったと思います。NZは、アウトドア体験をたくさん提供して、地域を潤わせ、自然の保全もしています。国を挙げての活動に共感しました。

大学卒業後、長野県のホテルやスキー場でアルバイトをし、ガイドブックなどを作る出版社に就職。平成16年に、発足したばかりの「信越トレイルクラブ」の専任事務局員に転じました。

20年までに開通した約80キロには国有林もあり、管理道はあったものの森に戻っていました。クラブでは、道は公共事業で造るのでなく、ボランティアが汗をかいて造らないと持続しないという考え方をとっています。全く道がなかったところに道ができる喜びを仲間と共有し、今でも、あの時、炎天下で脱水症状になったねとか、つながっています。苦労して造った道はいつも気になり、荒れてほしくないし、ハイカーには気持ちよく安全に歩いてもらいたい。

昨秋に延伸した天水山から苗場山までの約30キロは、従来の山のステージに対し、里のステージと呼んでいます。苗場山麓ジオパークに指定される特徴的な地形で、集落、牧場などがあって豪雪地帯の家の造りも楽しめます。マタギ文化も残り、「熊鍋」や「早(はや)そば」など独特の食べ物も味わえます。

この地域は過疎化や高齢化が進み、古道を守るのに苦労しているので、整備を手伝ってくれ、ハイカーも訪れるのを歓迎する声も聞けました。気軽に声をかけると、いい出会いになると思います。

クラブのホームページ(www.s-trail.net/)で整備計画を公開して、ボランティアを随時募集しています。ガイドの人もいたりするので、とっておきの話を聞けるかもしれません。

(原田成樹)

大西宏志(おおにし・あつし)】 昭和49年生まれ。岡山県出身。愛媛大卒。平成16年にNPO法人・信越トレイルクラブ(長野県飯山市)に入り、18年に「信州いいやま観光局」を兼務。現在、同クラブ事務局長兼「なべくら高原・森の家」支配人。


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