英国のシンクタンク、国際戦略研究所(IISS、ロンドン)は14日、世界の軍事情勢をまとめた報告書「ミリタリー・バランス」の2022年版を公表した。ロシアが近年、ウクライナ情勢をめぐって圧力を強め、欧州では各国が防衛費を増やすなど「安全保障環境が一変した」と分析。中国も台湾への威嚇を激化させ、日本など周辺国が警戒を強めていると指摘した。
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報告書によると、欧州の防衛費は物価変動を取り除いた実質ベースで7年連続の増加。21年の増加率は4・8%で、地域別で最も高かった。
最近もウクライナ国境付近に部隊を大規模展開するロシア軍について「地上部隊の戦力が近年、著しく向上した」と指摘。中国をめぐっては、空軍機が21年1月~11月に台湾の防空識別圏に230回も進入したとし、新型空中給油機「運油20」を使い、南シナ海での活動範囲を広げる可能性もあると分析した。(共同)