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「これはしつけや!」 幼稚になった“大人”による児童虐待をなくすために

2021年8月には大阪府摂津市で当時3歳の男児が、母親の交際相手に熱湯をかけられて死亡しました。本当に、ほぼ毎年のようにこうした目を覆いたくなるような事件がニュースになっているのです。まるでイタチごっこのように繰り返される児童虐待。児童虐待を根絶するという目標は、果たして本当に達成できるのでしょうか。

繰り返される児童虐待。児童虐待を根絶するという目標は、果たして本当に達成できるのか(Getty Images)※画像はイメージです
繰り返される児童虐待。児童虐待を根絶するという目標は、果たして本当に達成できるのか(Getty Images)※画像はイメージです

人も理解も、足りない!

児童虐待への対応が後手に回ってしまう大きな要因の一つに、物理的な問題が挙げられます。令和2年に全国220カ所の児童相談所が児童虐待相談として対応した件数は、20万5044件でした。これは10年前の約5倍になります。こうした状況に対応できるだけの人的資源はまったく確保できていません。また、通報の中で飛躍的に伸びている心理的虐待について、家庭裁判所をはじめ国側の理解が遅れていることも問題でしょう。人的資源の確保と同時進行で、こうした心理的虐待への理解の推進にも努めていただきたいものです。

とはいえ、これらは児童虐待問題への適切な対処としては有効ですが、児童虐待の根絶という目標には何ら寄与しません。根絶が実現できるかは不明ですが、私は減らすことの効果的な対策として大きく2点あると思っています。

まず1点は、法整備です。民法822条の懲戒権の削除が決まり、それに連動して児童虐待防止法が改正され、体罰が禁じられました。これは良いことだと思います。ルールによって親の行動を縛るというのは必要なことなのでしょう。

「法は家庭に入らず」なんていう価値観はもう古い。もっともっと国が家庭に介入していく時代になったのです。しかし、こうやってルールによって人々の行動を制約するだけでは、問題の本質に切り込んだ対処方法にはなりません。こうした応急処置的な規制対策だけでは、必ず副作用が出てきます。教師の体罰を禁じた結果、モンスター生徒、モンスターペアレントが現れたように。

問題は精神的に未熟な大人が増えたことです。凄惨な児童虐待の記事を読むと、虐待者はまるで2歳児のようにわがまま勝手にふるまっています。気に入らないことがあれば当たり散らし、すべて他人のせいにして感情をコントロールできません。身体の大きな2歳児。身体が大きい分、自分より弱いものに攻撃を向けやすくなります。コミュニケーションの力を身につけずに大人になったが故(ゆえ)に、他者を思いやることができていないのです。そう、2点目として私が挙げたいのは、コミュニケーションの力を養う教育です。


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