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【学ナビ】羅針盤 中央大学法学部長・猪股孝史氏 複雑化する課題、解決へ文理融合目指す

法曹養成の伝統を誇る中央大学法学部と同大学院法学研究科は令和5年4月、現在の多摩キャンパス(東京都八王子市)から、新開設する茗荷谷キャンパス(同文京区)に移転する。市ケ谷キャンパス(同新宿区)のロースクールも駿河台キャンパス(同千代田区)に移り、都心を拠点に〝法に関わる一体的教育〟を推進する。さらに、理工学部・国際情報学部との共同開講科目などを通し、文理融合を進める。猪股孝史・法学部長は「複雑化する諸課題に対応できる法的問題解決能力を育てていく」と話す。(聞き手・宮田奈津子 写真・鴨志田拓海)

中央大学の猪股孝史法学部長(鴨志田拓海撮影)
中央大学の猪股孝史法学部長(鴨志田拓海撮影)

--多摩キャンパスに移転して45年。都心に戻る狙いは

「多摩キャンパスには、人文・社会科学の6学部があり、学部横断型の教育を展開してきた。ただ、法学部は多摩だがロースクールは新宿という、地理的に離れている課題を抱えていた。文部科学省は法学部3年・ロースクール2年と計5年の一貫教育による法曹養成新制度をスタートさせた。法曹教育の充実のためには地理的にも一体的な運用が必要だと考えた」

--文理融合も狙う

「社会で起きている課題は、さまざまな要因が複雑に絡み合い、法的な思考だけで解決できるものではない。総合大学の利点をいかし、キャンパスが都心にある理工学部や国際情報学部と連携して、文理融合による相乗効果を目指していく」

--「グローバルなリーガルマインド」の養成も目指す。見据える国際化とは

「グローバルとは、単に外国が拠点というだけのものではなく、ダイバーシティ(多様性)を尊重すること。都心で、地域や企業と教育をつなげていくことで、新たな世界が見えてくるのではないか」

--卒業生はさまざまな分野で活躍している

「全国から個性豊かな学生が集まってくる。大学の役割は、特色あるプログラムで個々の関心を後押しすることで、それは多摩でも都心でも変わらない。学生は学びながら道を見つけ、法曹や公務、民間企業など、多彩な分野に羽ばたいていく。ホームページに学生の声を掲載しているが、必ず自分の未来のロールモデルが見つかるはず」

--法のおもしろさとは

「法は『悪いものを取り締まる』という印象があるが、一人一人の人権を尊重し、権利を守るためにある。法の理解は、説得力のある解決策を考える力になる。論理的な思考の基礎となり、応用が広がることもおもしろさだろう」

--来年4月の移転に向けてメッセージを

「多角的な視点を養うため、理工学部と国際情報学部との共同開講科目を準備しているので楽しみにしてほしい。次世代の法律家養成という点では、社会正義を実現するという確固たる信念と、複雑化する社会的課題に対応していく柔軟な思考方法を持つ人材を育てていきたい」

いのまた・たかし 昭和34年、青森県出身。中央大学法学部法律学科卒業。同大法学研究科民事法専攻修士修了、同博士課程満期退学。放送大学助教授、桐蔭横浜大学法科大学院教授、中央大学法学部教授などを経て、令和元年11月から現職。


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