昨年夏の東京五輪・パラリンピックで取られた選手らの新型コロナウイルス対策の検査や陽性者への対応などは、選手村での感染拡大を防ぐのに役立ったとする検証結果を、国立国際医療研究センター国際医療協力局がまとめ、米医学誌電子版に発表した。同局運営企画部長の明石秀親医師(国際保健)は、北京冬季五輪・パラリンピックを含むパンデミック(世界的大流行)中の大きなイベントに「教訓が生かされるべきだ」と話している。
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東京五輪・パラリンピックの選手村には選手やコーチらが滞在。外部から分離され、競技やトレーニングがない時間は選手村でマスクを着用して過ごし、毎日、検査を受けた。陽性が確認された人は選手村の外に分け、陽性者の濃厚接触者に当たる人には個室に宿泊してもらうなどして複数回、特別に検査した。
検査の結果、選手村の濃厚接触者数は五輪とパラリンピックそれぞれの開幕直後の数日間、増加したが、その後減少傾向となった。濃厚接触者に対する延べ3426回の検査のうち陽性となったのは15人だった。