感染者減も重症者増…「ワクチン早期接種を」東京都

    東京都は17日、新型コロナウイルスの感染状況を分析するモニタリング会議を開き、都の基準に基づく重症病床使用率が31・5%になったと明らかにした。酸素投与が必要な入院患者の割合は25・8%だった。都はいずれも30~40%となり、加えて7日間平均の新規感染者数が2万4千人に達した段階で政府に緊急事態宣言の要請を検討するとしている。

    東京都庁第一本庁舎=東京都新宿区
    東京都庁第一本庁舎=東京都新宿区

    16日時点で、7日間平均の新規感染者数は1万4564人。前週(9日時点)の1万7686人から減少した。小池百合子知事はこうした動向を踏まえ、緊急事態宣言については「総合的に勘案し見守っていく」と慎重な姿勢を示した。一方、政府に対して「重症者の増加には警戒が必要で、経口薬の早期承認やワクチンなど武器の確保を急いでほしい」と求めた。

    都内では入院患者に占める高齢者の割合がじわじわと上昇しており、16日現在で60代以上が7割を占める。これを背景に重症病床使用率や酸素投与が必要な入院患者の割合は今後も増加が見込まれ、都医師会の猪口正孝副会長は「感染者の急増から2週間以上遅れて重症者が増えるので、これから徐々に医療提供体制に影響が押し寄せてくる」と危機感を示した。

    14日までの1週間の死亡者は70人で、前週の46人から急増した。70人のうち60代以上は65人で、9割超に上る。国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は「コロナ肺炎はひどくないが、心臓や腎臓などがダメージを受けて死亡するケースが多い。感染すると特に基礎疾患のある高齢者には負担が大きい」と指摘した。

    重症化を防ぐ効果が期待されるワクチンの接種率について、都は65歳以上で33・7%(15日時点)とのデータも公表した。専門家によると、デルタ株の感染拡大時には、高齢者のワクチン接種率が40%を超えた段階で感染者や重症者は低下傾向になった。小池氏は「(ファイザー、モデルナ)いずれのワクチンも効果があるので、種類に関わらず早めの接種をお願いしたい」と呼びかけた。


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