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北朝鮮は見ている ブルーリボンバッジの広がりと着用禁止訴訟

■意見広告の反響

昨年11月22日付の本紙朝刊に、「ブルーリボンバッジを着けよう」という意見広告が掲載された。ブルーリボンバッジは、北朝鮮に拉致された被害者たちの1日も早い救出を願う国民運動のシンボルである。

広告を掲載したのは「北朝鮮拉致解決を! ブルーリボンバッジの会」。「救う会」会長でモラロジー道徳教育財団教授の西岡力氏、「救う会」副会長で福井県立大学教授の島田洋一氏、評論家の江崎道朗氏、弁護士の高池勝彦氏を役員にした団体だ。

広告紙面では、同月13日に拉致被害者)家族会・救う会、国会・地方の拉致議連や知事の会が都内で開催した「全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会」で、「北朝鮮人権週間(12月10~16日)に、閣僚、国会議員、地方自治体首長、地方議員の全員、また多くの国民がブルーリボンをつけて救出への意思を示そう」と決議したことを西岡氏が報告。13歳で北朝鮮に拉致されたままの横田めぐみさん(57)の母、早紀江さん(86)が産経新聞に寄稿している「めぐみへの手紙」(紙面上では2年前に亡くなった父・滋さんとの連名)の昨年10月掲載回の抜粋も掲載された。

この中で早紀江さんは、「何よりも困難な局面にある今、国民の皆さまの一層の後押しがなければ、事は前に進みません。ふとした日常に被害者を思い、思いを声にして伝えていただきたい」と訴えている。

意見広告の反響は大きく、「救う会」にはその後1カ月で、1万個を超すバッジ購入の申し込みが寄せられた。北朝鮮人権週間の初日には、政府の全閣僚がブルーリボンバッジを着用して閣議に臨んだほか、地方自治体の幹部職員や議員らにも着用の動きが広がったことは、本紙も報道した通りである。

■もう一つの狙い

西岡氏は、ブルーリボンバッジ着用を広く国民各層に呼びかけた目的を「拉致被害者の早期救出の実現に向け、国民世論の盛り上げること」と語るとともに、「大阪地裁堺支部と大阪高裁の訴訟で、ブルーリボンバッジを着用すると入廷できないという信じられない事態が起きた。そのことを不服とした訴訟も起こされており、司法=国側に、バッジを外させた判断の不当性を理解してもらいたかった」と打ち明ける。

訴訟とは、バッジを外させた大阪地裁堺支部の措置は憲法が保障する「表現の自由」の侵害―として、バッジを外すことを余儀なくされた人たちが国を相手に損害賠償を求めている大阪地裁の訴訟だ。

西岡氏の最終的な目的はもちろん、この訴訟で勝つことではない。氏は、拉致問題をめぐる日本社会や世論の動静を北朝鮮側がみていると確信しているのだ。ブルーリボンバッジ着用を禁じるという国家機関としての司法の判断を、ほくそ笑んで眺めているのは誰か、ということだ。氏は同訴訟への補助参加(訴訟の結果と利害関係のある第三者が訴訟に参加すること)を申し出たが、国側が異議を唱え、補助参加は認められなかった(最高裁に特別抗告中)。

■認められなかった補助参加

西岡氏が補助参加人として法定陳述する予定だった原稿には、こう書かれている。「ブルーリボンバッジは、すでに国民の総意として、拉致問題を解決する決意のシンボルでもあると思っています。この着用が禁止されるということになれば、拉致被害者救出を願うすべての国民の心を傷つけることになりかねません」

裁判所によるブルーリボンバッジ着用禁止措置に耳を疑い、心を痛めた人は多いはずだ。国民の誰もがこの訴訟に補助参加する資格があるはずだとも思う。

国家間の衝突や外交紛争の帰趨(きすう)を左右する大きな要因の一つは国民世論である。「ブルーリボンバッジの着用は、拉致被害者の早期救出の願いの表明であり、拉致被害者奪還の取り組みに国民として加わることでもある」。こんな思いでバッジを着用してくれる人が増えることを願う。(大阪正論室長 小島新一)


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