【ワシントン=渡辺浩生】バイデン米大統領は17日、緊迫するウクライナ情勢をめぐり、ロシア軍が国境を越えて侵攻する危険性が「非常に高い」と述べた。時期については「私の認識では今後数日以内に起きる」との見方を示した。
記者団の質問に答えたもので、バイデン氏は根拠として、ウクライナ国境付近のロシア軍は撤退せず増強しているとし、侵攻の口実を得る破壊工作である「偽旗作戦」を行っているとみられると指摘。「われわれが知るすべての兆候は、ロシアがウクライナへの侵攻、攻撃を準備していることを示している」と述べた。
またオースティン国防長官は17日、ベルギー・ブリュッセルの北大西洋条約機構(NATO)本部で記者会見し、15万人超とするウクライナ国境沿いのロシア軍の一部が「国境に少しずつ近づいている」と指摘。
戦闘機・支援機の飛行、黒海での準備強化、輸血用血液の備蓄などの動きを挙げ「私自身、つい最近まで兵士だったが、理由なしにそのような行動はしないことは経験から知っている」と強調した。
オースティン氏は、ウクライナ東部のドンバス地方で砲撃が起きたとの情報について、詳細な情報を集めているとし、ロシア側が軍事行動の正当化のためにそうした行動を起こす可能性を示唆した。