ぼくのコメントを以下要約する。
一つ目のマネジメントに対しては、日本の政府は決して議論するタイミングが遅いわけではないと思う。しかし、決断をくだすタイミングが遅い。工場生産における品質改善的な思考プロセスがあるように思える。流動的で突発的な現象が頻出する状況であるにもかかわらず、あたかも計画的に対処しようとしてきたかにみえる。だから肝心なところで大きく躓く。
二つ目の国際性の問題は、哀しいかな「外国人嫌い」との性格があるのは否めない。「外国人嫌い」は日本に限らずどこの国でもある。だが、日本ではある場面で度が過ぎるほどに露出する。
例えば、サッカーW杯予選として1月末から2月初め、日本は対中国と対サウジアラビアの2試合を自国で行った。試合後、日本代表選手が隔離をしないといけない。この不合理な対策など、科学の名を借りた一種の「外国人嫌い」に思えてしまう。
通常、大学生の留学は提携校との間では授業料負担はない。パンデミック以前より少ないとはいえ、この2年間、日本の大学から欧州の提携校に留学している学生がいる。一方、欧州から日本に留学できない。これは公平ではない。こういうところで国際性の欠如が露呈してしまう。このマイナスへの認識が不十分だ。
三つ目は中国との関係だ。個人的な付き合いにおいて中国人は友人である。個人的レベルで敵になるとすれば、個人的な恨みによる。経済的、あるいはビジネスレベルにおいては友人であることが望まれている。しかし、地政学的な関係においては敵になりやすい。
これは二国間だけの話ではない。米国も含めた三角関係でことは動く。米国と中国が仲良ければ日本はやや外れ、中国と米国が敵対関係であれば日本は米国と仲良くなり、中国とギクシャクする。しかも、今、ここにロシアが加わってきている。日中関係だけを取り出すのがますます無意味になっている。