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物議かもした「平和の祭典」 中国式の「統制」随所に

【北京=桑村朋】20日に閉幕を迎えた北京冬季五輪。ドーピングや疑惑判定など競技の問題に加え、〝不都合〟なことは遮ってしまう中国式の「統制」が随所にみられた。現場では、自由や人権を尊重する「平和の祭典」とはほど遠いムードが漂っていた。

北京冬季五輪の開会式で聖火リレーの最終走者を務めたウイグル族のジニゲル・イラムジャン(左)=4日、北京(ロイター)
北京冬季五輪の開会式で聖火リレーの最終走者を務めたウイグル族のジニゲル・イラムジャン(左)=4日、北京(ロイター)

「信号異常です」

期間中、取材拠点のメインメディアセンター(MMC)では、外国でのウイグル問題の抗議デモなどを報じるニュースがテレビで流れると、番組が遮断されることがよくあった。五輪会場でも、中国の報道規制が適用されることを意味するものだった。

北京冬季五輪大会組織委員会は開幕前に、「外国記者の権利は保障する」としつつ、「中国の法律や規則に違反する行動や発言は処罰対象だ」と牽制(けんせい)。意に沿わない動きを統制する動きは実際、随所であった。

聖火リレー最終走者だったウイグル族の中国選手は競技後、選手に通過義務のある取材エリアに姿を見せなかった。だが翌日には国営新華社通信にリレーを走った喜びを語った。人権問題を海外記者に質問させないため、中国側が働きかけたとみられている。

ボランティアに競技の感想や人権問題への率直な意見を求めても、「事前に申請はしたのか」「よくない質問だ」と拒否される場面も散見された。スタッフになるには面接や研修が必要で、何らかの〝訓練〟を受けていた可能性がある。

東京五輪では話題を呼んだ選手のSNS(会員制交流サイト)上の発信も少なかった。中国の目に見えない統制や管理を前に、選手自ら消極的にならざるを得なかったようだ。実際、帰国後に、人権批判がある中国での五輪は「無責任だ」と非難する選手が相次いでいる。

他にも、フィンランド選手が選手村で大量の水が漏れる動画を投稿し、すぐに削除されたこともあった。米メディアは「トラブルの発覚を恐れた中国政府から選手に削除依頼があったようだ」と指摘する。

ドイツ紙記者は「誰のための大会なのか。批判を徹底統制するような大会からは平和の祭典のムードを全く感じなかった」と突き放した。


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