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「本当に売れるのか」想定外のロングセラー“ごま豆乳鍋つゆ”はこうして生まれた

各メーカーからさまざまな味が発売され、コロナ禍で売れ行きも好調な鍋つゆだが、悲しい宿命も抱えている。気温が上昇すれば、鍋が食卓に上る回数が減ってしまうという弱みだ。そこで考案されたのが、春や夏でも美味しく味わえる鍋だという。ミツカンは今月17日、「〆まで美味しい鍋つゆシリーズ」の新商品「エスニックしゃぶしゃぶスープ ベトナムフォー風 ストレート」の発売を開始した。鶏と魚介のだしをベースに、魚醤のナンプラーと複数の香辛料を合わせたエスニック鍋だ。秋冬だけでなく、春や暑い夏でも美味しく食べられる鍋つゆを展開することで、さらなる市場の活性化を図る狙いがあるようだ。

「〆まで美味しいエスニックしゃぶしゃぶスープ ベトナムフォー風 ストレート」を使ったエスニックしゃぶしゃぶベトナムフォー風(ミツカン提供)
「〆まで美味しいエスニックしゃぶしゃぶスープ ベトナムフォー風 ストレート」を使ったエスニックしゃぶしゃぶベトナムフォー風(ミツカン提供)

日本人の先入観を取り払いたい

「台湾やタイ、ベトナムでは一年中熱いものが食べられている。日本でも暑いときに熱いものを食べるのが当たり前になるのではないか」と田中さんは期待する。あっさりとしながらも、食欲をそそるベトナムフォー風の味わいを実現。締めは春雨やフォーがおすすめだといい、「鍋というと秋や冬という先入観を取り払いたい」と意気込む。

今回の新商品で同社の「〆まで美味しい鍋つゆシリーズ」は12種類に。田中さんは「鍋はお客さんにとって自由度が高く、われわれが作り方を規定することができない。想像もできないような食材が鍋に入ったときでも、われわれの思うおいしさを維持しなければならない」と話す。

例えば、具材が豚肉だけ、キノコ類だけなど偏った食材で作った鍋を何度も作って試食を繰り返す。家庭によって冷蔵庫の中はまちまち。だからこそ、鍋つゆには、どんな食材が鍋に入ってもバランスが崩れないことが求められるのだろう。

トレンドにも敏感だ。コロナ禍で外出自粛やテレワークが増えれば、「外出の機会が減るためニンニクに対する抵抗感が低くなり、ニンニクを効かせた商品が売れるのでは」と考えるといった具合だ。こうして昨年8月には「外食店で味わうようなやみつきになる味わい」との触れ込みで、「炒めにんにく醤油鍋つゆ」がラインナップに加わった。

鍋つゆのバリエーションが増えるのは消費者にとってもありがたい。だが、生みの苦しみというべきか、開発を担当する田中さんは休日も鍋つゆのことが頭から離れないようだ。スーパーに立ち寄ると売り場を行ったり来たりして「どんな食材が鍋つゆと一緒に購入されているか」「どの商品とどの商品で迷っているのか」などと消費者の動向に自然と目が行ってしまうという。

ごま豆乳鍋に続く次なるヒット商品は何なのか。それは、ふたを開けてみるまで分からない。



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