薄型テレビ販売台数減、17年からの増加止まる 五輪効果「限定的」

    市場調査を手掛けるGfK Japan(東京)は、2021年の国内家電小売市場が前年から1.5%減の7兆1700億円だったと発表した。AV市場では2017年から販売台数の増加が続いていた薄型テレビが減少に転じ600万台を割り込んだ。

    薄型テレビの販売台数が減少(Getty Images)※画像はイメージです
    薄型テレビの販売台数が減少(Getty Images)※画像はイメージです

    同社は全国の家電量販店、携帯電話などの専門店、ネット通販などの販売店からPOS(販売時点情報管理)システムのデータなどを収集し、全国市場規模相当に拡大推計して「家電・IT市場動向」にまとめた。これによると薄型テレビの販売台数は前年の630万台から590万台に減少した。

    20年はコロナ禍で外出を自粛する傾向が高まり、テレビを視聴する機会が増えて買い替えが促進されたため、21年には反動減があったと同社は分析している。また原則無観客で行われた東京五輪・パラリンピックを視聴するためにテレビの需要増が見込まれたが、開催前の効果は「限定的」だったという。

    その一方で高性能、大画面の高価格帯製品が好調だ。薄型テレビのうち4Kテレビが前年比2ポイント増の59%を占め、有機ELディスプレイ搭載テレビが初めて10%を超える11%を記録した。また、55インチ以上のモデルが前年から3ポイント増の26%だったことなどが影響し、平均価格は前年から2%増の8万9000円(税抜き)だった。

    携帯電話の販売台数は、薄型テレビとは逆に17年から横ばいや低下が続いていたが、21年は前年比17%増の3200万台だった。内訳はスマートフォンが3010万台、フィーチャーフォン(ガラケー)が190万台で17年の水準に戻った格好になった。増加に転じた要因として、第5世代(5G)移動通信システムに対応するスマホへの機種変更が進んだことが挙げられ、スマホ市場では5G対応機種が57%を占めたという。

    また、パソコンとタブレット端末市場はテレワークやオンライン授業などでの需要が落ち着いて前年比13%減の2290万台だった。苦境が続くデジタルカメラ市場は前年比11%減の120万台。レンズ交換式カメラに占めるミラーレス一眼の割合は前年比8ポイント増の81%で、一眼レフからミラーレス一眼への移行が継続している。


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