中国人民銀行(中央銀行)は21日、金融機関の貸出金利の目安となる「ローンプライムレート(貸出基礎金利、LPR)」の1年物を3・70%に据え置いた。5年物も4・60%を維持した。中国経済は減速感が強まるが、昨年12月と今年1月に連続で引き下げたため、追加の金融緩和に一服感を持たせた格好だ。
LPRは事実上の政策金利で、引き下げれば資金繰りが悪化した中小企業への融資を促す効果がある。
人民銀は昨年12月、1年8カ月ぶりにLPRを引き下げ、1月には下げ幅を拡大して実施。インフレ退治に動く米欧と反対に、景気重視の姿勢を鮮明にした。
中国では北京冬季五輪で、新型コロナウイルスの感染抑止や環境対策で工場生産と人の移動が制限されたため、景気減速懸念が出ており、今後、さらなるLPR引き下げに動く可能性がある。(共同)