退職届に印鑑は必要? 使用する印鑑の種類や注意点を解説

はじめに

退職届を提出する際に印鑑について悩まれる方も多いのではないでしょうか。法的には退職届への印鑑は、必須ではありません。しかし、迷ったら名前の下に印鑑を押した方が無難といえます。

この記事では、退職届の印鑑の種類や押す場所、失敗した際の対処法について解説します。退職届を作成する際の参考にしてください。

退職届に印鑑は必要なのか

※画像はイメージです(Getty Images)
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退職届への印鑑は必須とはいえません。退職届は、法的に定められている書類ではないため、印鑑の義務付けもありません。そのため、退職届に印鑑がなくても、法的効力に影響はないといえます。

しかし、一般的には、退職届には押印をするケースが多いです。会社によっては、手書きの署名と印鑑の2つを義務付けているケースもあるでしょう。退職届は、労働者が会社に退職を申し出る意思表示となる書類です。後々のトラブル防止のためにも、本人が記載した証跡として、印鑑を押した方が無難といえます。

退職届のどこに印鑑を押すのか

退職届の印鑑の位置は、自分の名前の後です。退職届には、自分のフルネームの記入が必要です。名前の最後の文字の後に、文字にかからないように押しましょう。

印鑑の必要有無に関しては、会社の規定を確認します。最近では、印鑑不要のケースも増えてきました。「シャチハタは不可」「手書きの退職届には印鑑不要、パソコンで作成した退職届では印鑑必須」など、会社ごとに規定の内容は異なります。

社内規定がない場合は、自分の名前の後に認印を押しましょう。大切な書類には、署名と印鑑が日本社会での一般的なビジネスマナーといえます。

退職届に使用する印鑑選びの注意点

※画像はイメージです(Getty Images)

ここでは、退職届に使用する印鑑についての注意点を解説します。

▼印鑑は基本的に認印を使用する

退職届に使用する印鑑は、認印を使用し朱肉を使って押印するのが一般的です。認印とは、自分の姓が彫ってある印鑑のうち、役所に実印として登録していない印鑑を指します。スタンプタイプの印鑑は退職届の押印にふさわしくありません。

そもそも押印は、各種書類の本人の意思確認や本人同意を明示するために使用します。退職届についても、印鑑は必須ではありませんが、本人の退職する意思を明示するために、印をするのが慣習とされているケースが多いです。

▼実印は個人情報漏洩のリスクがある

退職届に実印を押すのは避けましょう。実印とは、役所で印鑑登録した印鑑を指し、不動産や車などの高額な売買契約の時に使用するものです。実印が押印された書類には、法的効力があります。

実印を押さなければならない書類以外では使用しないことをおすすめします。なぜなら、実印は個人情報漏洩のリスクがあるためです。実印の印影の情報が第三者に流れた場合、本人名義で車や不動産の売買を勝手にされる、心当たりのない契約を締結されるなどのトラブルに巻き込まれる可能性もあります。実印は、慎重に扱うことをおすすめします。

▼拇印は印鑑を持ち合わせていない際に使用するもの

退職届に、拇印はふさわしくありません。拇印とは、押印が必要な場面で印鑑を持ち合わせていない際に、自分の指に朱肉をつけて印鑑の代わりに指紋を押印する行為です。退職届は、事前に準備をする書類のため、拇印で対応するのはマナー違反。認印を準備して押印しましょう。

近年では、役所の書類においても本人確認ができれば、印鑑が不要のケースも増えています。また、拇印は警察に捕まった際などで使用するケースが多いです。ビジネス文書では、一般的に拇印を使用しないといえます。

▼シャチハタの使用はNG

退職届の押印は、シャチハタの使用は不可です。シャチハタとは、もともとはメーカーの名前。押印時に朱肉がいらないようにスタンプが内蔵された印鑑を、一般的にシャチハタと呼びます。

本人の意思確認が必要とされる押印が必要な書類では、シャチハタの使用はできないケースが多いです。理由は、同じ印影のものが出回っているため他人がなりすましできることと、長く使用していると印影が変わってしまうため後から確認ができなくなる可能性があるためです。

また、シャチハタで使用されているインクは、朱肉と違い経年劣化により消えやすいため、長期保存する書類には不向き。退職届は正式な文書のため、シャチハタの使用はマナー違反といえます。

退職届の印鑑で失敗した場合の対処法

退職届の押印で失敗した際の対処法について解説します。

▼印鑑が薄い場合

書類を作成して最後に押印をした際に、印影が薄かった場合はどうしたらよいのでしょうか。誰の印鑑か読めないほどに薄かった場合は、押印を訂正します。

押印が薄かった際に、再度上から印影を重ねようとする方もいます。どんなに注意しても、完全に重ねて押印することは難しいため、重ねての押印はやめましょう。また、ミスした押印を二重線で訂正するのは不要です。

訂正は以下の手順で押印します。

  1. 押印ミスの印影の端に少しかかるように再度押印する(訂正印)
  2. 訂正印の横の余白に、再度正しく押印する(再押印)

▼印鑑が曲がった場合

印鑑の向きを誤ってしまい、押印が曲がり正しく名前が読み取れないケースは訂正した方がよいといえます。訂正方法は、上記の印鑑が薄いケースと同じです。

  1. 押印ミスの印影の端に少しかかるように再度押印する(訂正印)
  2. 訂正印の横の余白に、再度正しく押印する(再押印)

印鑑を左向きに傾けて押すと印影がおじぎをしているようになるため、推奨するケースもありますが、一般的なビジネスマナーではありません。印鑑はできるだけ真っすぐの向きで押すように心がけましょう。

▼印鑑を忘れた場合

退職届の印鑑を忘れた場合はどうなるのでしょうか? 本来退職届は、印鑑がなくても法的効力に影響はありません。印鑑が必要なのかどうかは、受け取る会社の内部ルールによります。

印鑑を忘れたまま提出したことに気づいた時点で、担当者に連絡をしましょう。印鑑必須ではない会社では、そのまま受理されることもあります。近年、押印省略が進んでいるため、今まで慣例だった押印が不要となるケースも増えています。

印鑑必須の会社では、いったん返却され再提出を依頼することもあるでしょう。退職届のような正式な書類の押印忘れは、会社の担当者の印象が悪くなることが考えられます。円満退職のためにも、丁寧に対応しましょう。

まとめ

この記事では、退職届の印鑑の扱いについて解説しました。法的には押印がなくても効力は変わりませんが、企業文化として退職届には押印をしてきたケースもあります。

2020年に行政手続きにおける押印省略や廃止の方針があり、各種書類の押印の見直しがされました。社内規定で押印が定められていない場合は、不要となるケースも多いため、提出前に担当者に確認をするとよいでしょう。

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