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宮城県知事、報道に苦言も 震災11年「心のケアや共同体再生を」

太平洋沿岸部に甚大な被害を及ぼした東日本大震災から3月11日で、11年となる。宮城県の村井嘉浩知事は22日、復興の軌跡をめぐり産経新聞などのインタビューに応じ、施設整備の復旧に一定の手応えを示しつつ、被災者に寄り添いながら、災害の恐ろしさを伝承していく必要性を重ねて強調した。一方、マスコミ報道については苦言も呈した。主なやり取りは以下の通り。(奥原慎平)

宮城県の村井嘉浩知事
宮城県の村井嘉浩知事

--県内の復興状況は

「ハード面ではあと1年あれば、すべて完了できる所まで至った。県の震災関連予算も、一時は1兆円近い規模だったが、令和4年度は300億円規模におさまった。ただ、心のケアを必要とする人がたくさんいるのは事実。これからは、心のケアやコミュニティーの再生など一人一人に寄り添ったソフト対策に力をいれたい」

--沿岸部は人口減に直面している

「減り幅を小さくしたいが、定住人口の減少は抑えられない。これは無理ですよね。日本全体の人口が減る中で、被災地だけ増えるのは考えにくい。なので、にぎわいを取り戻すには交流人口の創出が重要となる。定住人口対策と交流人口対策を組み合わせ、少しでも活気を維持したい」

--復興の伝承について

「災害教育として子供たちに伝えていくのは非常に重要だ。震災以降に生まれた子供や当時赤ちゃんだった子はユーチューブなどでみるしかないが、あの時の恐ろしさはなかなか伝わらないだろう。例えば(発災直後)現地に行くと、モノが腐ったり、魚が腐ったり、独特のにおいがした。そういったことも震災を経験していない子供たちが、自分の言葉でしゃべられるようにしていくのは非常に重要なことだ」

--その理由を改めて

「何かあったときに次に命をつなげるためだ。パンフレットや映像を見せて『はい、終わり』ではない。『津波てんでんこ』という言葉のように、避難訓練で体に覚えこませ、津波警報が鳴ったらすぐに逃げるようにしないといけない。それは今のわれわれの大きな責任だ」

--知事が考える復興の定義とは

「震災前の状態に戻すことが復興ではないのだろう。元に戻す復興ではなく、人口減を見据えたまちづくりが必要ではないかと思い、やってきた。10年、15年、さらに先を見据えたまちづくりや制度設計をすることが復興だ。震災と同じような災害があった際、命が助かるようなまちづくりも必要だ」

--知事が考える復興の完了とは

「それは被災者によって変わると思う。どこが終わりかはいえない。誰も決められない」

--「3・11」をめぐるマスコミの報道について

「『3・11』だけでいいのかという気はする。仕方がないのだろうが。こういった問題は被災者の目線で考えないといけない。一過性の報道で終われば、被災者がかわいそうだ」

「ただ、全体を見た上で判断してほしい。行政のトップとして言わせてもらうと、(マスコミは一部の)被災者の目線でばかり、物事をみる傾向がある。被災者が言ったことが全てのように。行政の目線が完全に抜けていることもある」

「津波対策の防潮堤の問題でも『ない方がいい』という人の声だけを拾う。なぜ防潮堤をわれわれが作ろうとしたのか、一気に整備したのか。正しかったという報道はせずに、『必要なかった』という一部の声だけを捉える。声の大きい、小さな人の集まりを捉えるのはマスコミの特性なんだよね。職員は一生懸命やっているのに。さも悪いことをしたかのように言われることもある。悔しい思いだよ」


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