• 日経平均26804.60-244.87
  • ドル円136.59136.60

抑止から懲罰へ バイデン政権、同盟結束正念場

【ワシントン=渡辺浩生】バイデン米政権は、プーチン露政権によるウクライナ東部の親露派支配地域の「独立」承認について、ルールに基づく国際秩序への重大な挑戦と非難した。収集した露軍情報を先手を打って公開し、軍事侵攻の制止を狙った対露外交は抑止から懲罰へかじを切る。同盟結束がその成否を握る。

「残酷で犠牲の大きい紛争を避けるため外交的解決を模索してきたが、ロシアが方向を変えなければ外交は継続できない」。国務省報道担当者は21日の談話で、外交による緊張緩和の行き詰まりを示唆した。

米側はロシアのウクライナ侵攻を①サイバー攻撃や偽情報拡散などハイブリッド戦争②親露派が支配する東部地域の事実上の併合③首都キエフ制圧を含む本格侵攻-の3段階と想定。プーチン大統領による東部2地域の「独立」承認、続く「平和維持」軍の派遣によって事態は2段階、さらに3段階へと迫りつつある。

これまでバイデン政権は情報機関が収集・分析した国境付近の露軍の動きを速やかに同盟国と共有し公開してきた。侵攻の正当化を狙った親露地域での破壊工作の兆候を公表し、「侵攻は数日以内」と警告するなど先手を打った情報戦は、「戦争するのが目的でなく抑止するのが目的」(サリバン大統領補佐官)。しかし、バイデン流の「瀬戸際外交」も、プーチン氏の手で破られつつある。

戦争を選べば「重い罰を科す」とバイデン氏は通告してきたが、プーチン氏は経済制裁の引き金となる「軍事侵攻」と判断されるのを巧みに避けつつ、ウクライナの〝ロシア化〟を進める可能性も指摘される。

実際、21日にホワイトハウスが発表した対抗措置は極めて限定的な内容で、露軍の行動をなお見極めているようだ。露産天然ガスに依存するドイツなど欧州の同盟国との制裁内容の調整も大詰めとなった。

一方、バイデン政権はウクライナへの直接の軍事介入は否定する一方、ポーランドやルーマニアなどウクライナと国境を接する北大西洋条約機構(NATO)の同盟国に精鋭部隊を派遣した。増派は続くとみられ、プーチン氏が脅威とみなすNATOの東方展開を強化して包囲網を築く。

インド太平洋地域では、中国や北朝鮮がウクライナ情勢をにらみつつ、ロシアと同様、力による周辺国・地域への威圧や現状変更をもくろむ。国際秩序を守る米国の指導力と同盟国の結束が真に問われる局面を迎えた。


Recommend

Biz Plus

Recommend

求人情報サイト Biz x Job(ビズジョブ)

求人情報サイト Biz x Job(ビズジョブ)