退職した会社から離職票が来ないとどうなる? 届かない理由と対処法を紹介

はじめに

離職票は、失業手当(正式には雇用保険の基本手当)を受給するために欠かせない書類です。次の仕事が決まる前に仕事を辞めた方は、失業手当を早く受け取りたいと思うもの。離職票は郵送で送られてきますが、会社からなかなか離職票が来ないと心配になる人も多いでしょう。

この記事では、離職票が会社から来ない理由とその対処法を紹介します。離職票が必要だという方は、今回紹介する対処法をできるだけ早く実践してください。

離職票が来ないとどうなる?

※画像はイメージです(Getty Images)
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離職票が来ないと失業手当の受給手続きを進められません。失業手当の受給期間は原則退職してから1年間。手続きが遅くなり受給期間を過ぎた場合は、所定給付日数が残っていても支給が打ち切られ、残日数を受給できないこともあるでしょう。

また、自己都合退職の場合は2~3カ月の給付制限もあります。遅くても退職して1カ月以内には手続きをはじめるとよいでしょう。

離職票は、雇用保険の被保険者が退職をしたあと、会社の資格喪失手続きが完了したら交付される書類であり離職票1・2の2種類が用意されています。離職票1は、喪失した日付の記載があり全員に交付されるもの。

離職票2は出勤日数や賃金、退職理由など失業給付を算定するための情報が載っており、希望者にだけに交付されるものです。「離職票」といった場合、一般的には2を指しています。もし、発行を依頼したにもかかわらず1しか来なかった場合はすぐに会社に連絡をしましょう。失業手当を受給する際は、1と2の両方の提出が必要です。

会社から離職票が来ない理由3つ

会社から離職票が来ない場合は、どのような理由があるのでしょうか。ここでは想定される理由を紹介します。

1.会社に離職票が必要なことを伝えていない

離職票が来ないのは、そもそも会社がハローワークに交付申請手続きをしていないことも考えられます。退職手続きの時に、会社側から必要かどうか聞かれるケースが多いですが、退職者からの依頼があった場合にだけ手続きをする会社もあります。

必要であることが担当者に伝わっていないため、処理がされていないかもしれないのです。設立したばかりの会社や小さな会社などでは、担当者が手続きを知らないケースもあります。なぜなら、離職票は退職者全員に発行するものではないからです。

退職時に、次の就職先が決まっている方、起業する方、個人事業主として開業する方などは、失業手当を受け取らないため離職票が不要です。「転職」を理由に退職手続きをした場合は、「失業手当を受け取らないで再就職をする」と担当者が理解したために、手続きがされていないケースもあります。

もし、会社側で離職票が必要だと認識されていない場合は、待っていても届くことはありません。退職する時に、会社に離職票について確認をしていない方は早めに確認してください。なかなか手元に来ない方は、退職後2週間が経過したら会社に確認するとよいでしょう。

2.会社またはハローワークで手続きが止まっている

離職票が来ない理由として会社内での手続きが止まっている可能性もあります。担当者が他の仕事で忙しくて後回しになっているケースや、必要書類の確認に時間がかかっていることも。2020年以降は電子申請が本格的に導入されましたが、担当者が操作に不慣れなため時間がかかっているケースもあります。

また、会社がハローワークに交付申請しますが、書類を受け付けたハローワーク内で手続きが遅れていることもあります。事務的なミスで遅れていることもありますし、3月末など退職者が多い時期は処理件数が増えるために時間がかかっていることもあります。ハローワークでは順次処理をしていますが、急いでいる旨を連絡することで先に処理を進めてくれるケースも多いです。

3.会社が意図的に発行していない

レアケースですが、退職する時に会社とトラブルがあった場合に、会社側が感情的になり意図的にハローワークに交付申請していないケースもあります。辞める時になんらかのトラブルがあった方は、退職した会社への連絡に抵抗があるかもしれません。

しかし、一度は本人から連絡を入れましょう。今後のトラブル対応のために、連絡した日時や話した内容をメモにとることをおすすめします。会社が対応してくれなくて困ったら、まずはハローワークで相談を。対応方法や今後の手続きについてアドバイスがもらえるでしょう。

会社から離職票が来ない場合の対処法4つ

会社から離職票が来ない場合、どのように対処したらよいのでしょうか。ここでは対処法を4つ紹介します。

※画像はイメージです(Getty Images)

1.会社に確認や催促をする

離職票は失業給付を受給するための必須書類です。失業給付は、雇用保険に加入していた方が対象。加入要件は、正社員やアルバイトなどの雇用形態の違いは関係なく、働いていた日数や時間によって決定します。雇用保険被保険者証か、給与明細の控除欄で雇用保険料が天引きされているかで確認ができます。

また会社は、退職してから10日以内に離職票の手続きをすることが法律で定められています。離職票が来るまでには1週間ほどかかるケースが多いです。しかし、退職後2週間が過ぎても来なかったら、要注意です。必要なことが担当者に伝わっているか、処理がどこまで進んでいるか、到着はいつ頃になるのかなどの確認や催促を会社にすることをおすすめします。

2.ハローワークに相談する

会社に連絡をしても離職票が来ない場合には、ハローワークに相談をしましょう。事情によっては、ハローワークの相談員の方が直接会社に照会をしてくれることもあります。会社の嫌がらせで手続きを進めてくれないケースでは、今後の対応方法のアドバイスももらえるでしょう。

会社が交付申請をしたにもかかわらず、ハローワークでの処理が止まっていることが判明した場合は、ハローワーク内で調整し、優先的に処理をしてくれるケースもあります。事情がわかれば、失業保険の仮手続きも進められるため、ハローワークに相談に行くことも解決方法のひとつです。

3.弁護士に相談する

会社が離職票の手続きを拒むことは違法行為です(雇用保険法第83条)。しかし、本人から、あるいはハローワークから催促の連絡をしても対応しない会社に対しては、労働問題に詳しい弁護士に相談するのも一つの手段です。

退職者本人の話を聞いてくれない会社であっても、弁護士からの連絡には対応するケースがあります。弁護士はトラブルが早期に解決できるように、法的なアドバイスや代理の交渉など力を貸してくれるでしょう。

4.失業保険の仮手続きを行う

退職した日から一定期間が過ぎても離職票が来ない場合、失業保険の仮手続きができます。仮手続きは、退職証明書などの離職日がわかる書類を持参すると手続きが可能です。仮手続きの運用は、ハローワークによって異なるため、事前に自分の住所を管轄しているハローワークに確認をするとよいでしょう。

仮手続きはあくまでも「手続き」だけです。約4週間後の失業認定日には、離職票原本が必要です。認定日までに原本を提出できないと失業給付が保留となるため注意しましょう。

会社から離職票が来ない場合は違法になる?

会社は退職した社員から依頼があった場合は、退職した翌日から数えて10日以内に離職票交付手続きをすることが雇用保険法で定義されています。

そのため、会社が交付の依頼を受けているのに手続きをしないことは違法です。また、正当な理由がないのに離職票交付を拒否した場合は、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金になるケースもあります。

離職票が来ない場合は、会社に遠慮なく確認をしてください。手続きが遅れると、受給可能期間内に失業手当の全額を受け取れない可能性がでてきます。手続きが1カ月遅れると、失業給付の受け取りも1カ月遅れてしまうのです。

まとめ

離職票が来ない場合の理由と対処法について紹介しました。離職票は、退職してすぐに届く書類ではないですが、2週間以上も来ないようであれば何らかの理由があるはずです。失業給付の受給期間は、退職してから原則1年です。

離職票が届かず何も手続きを行わない状態が長く続くと、満額の受け取りが難しくなることもあります。自分の不利益となることがないように、離職票の受け取りには注意が必要です。

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