• 日経平均26153.81218.19
  • ドル円135.34135.35

雇用保険の加入には条件がある? 加入対象となる条件を解説

はじめに

会社の従業員として働いている方であれば、目にする機会も多い「雇用保険」という言葉。また、給与から天引きされる「雇用保険料」として、その存在を知る方もいるでしょう。

「会社で働いているなら誰でも加入している」と思われがちな雇用保険ですが、実は加入対象に定めがあるのはご存知でしょうか。今回は、雇用保険の加入対象の条件、対象外のケースを解説します。

※画像はイメージです(GettyImages)
※画像はイメージです(GettyImages)

雇用保険とは?

離職による失業や出産・育児、介護などにより休業、もしくは仕事を辞めざるを得ず収入が減ったとき、労働者の生活を支える役割を担う強制保険制度が「雇用保険」です。

その役割は、さまざまな給付金によって労働者の生活・およびび経済的な負担を軽減し安定化を促すことや、失業した労働者の再就職支援です。たとえば、労働者の育休時における「育児休業給付金」や、失業者に対して一定期間給付される「失業給付」などがこれにあたります。

雇用側となる会社は、雇用保険の「適用事業所」と見なされ、労働者の加入はもちろん保険料支払いなどの義務が生じます。つまり、適用事業所で働く労働者は、その全てが「被保険者」であるといえるのです。

雇用保険の加入対象になる3つの基本条件

従業員として雇われる労働者は原則加入が定められていますが、実は加入対象には条件があるのです。ここでは、その基本条件を3つ解説します。

1.31日以上雇用が見込まれる

ひとつめの加入条件は、「対象となる労働者が31日以上働く見込みがあること」です。雇用契約期間の定めがない、または契約に更新の決まりがあり、契約上にて31日未満での契約満了(雇止め)について明示されていない場合は、「雇用見込みがある」と判断されます。

また、契約書には期間更新などの規定がなくても、31日以上勤務した記録などの実績があれば、同じく対象です。もしくは、雇用時には31日以上の勤務が見込まれておらず、その後一転して勤務が見込まれる場合もあるでしょう。この場合も、「見込み有り」の時点から保険が適用されます。

2.所定労働時間が週20時間以上

もうひとつの加入条件は、労働者が「一週間につき20時間以上働いていること」です。労働時間には、労働基準法で定められている「法定労働時間」と、法廷の範囲の中で自由に働く時間を定める「所定労働時間」の二つがあり、雇用保険で重視するのは所定労働時間です。

週20時間以上の労働は、原則として雇用時に交わした契約に則り適用されます。そのため、「契約は15時間の労働だったが繁忙期だけ20時間を超えた」という場合は対象外です。また、「当初は加入対象内の時間で勤務していたが、その後勤務時間を変更し20時間以下になった」という場合も、その時点で加入対象ではなくなります。

3.学生でない

学生は、雇用保険の対象ではありません。そのため、加入対象には「学生でないこと」も条件になります。これは教育法によって定められている「学校」に通う学生を指しており、大学生や高校生、専門学校、定時制高校や通信教育を受ける生徒も含まれます。

その一方で、たとえ学生であってもある条件に合致している場合、保険への加入が必要です。この条件は、主に以下の4つです。

・内定が出ているなどの理由から、卒業後の勤務が決まっている職場で働いている

・休学しており、その事実を証明する文書などを提出し勤務している

・大学などに在学している事実を、雇用主が認めた上で雇う

・学校の課程の修了に出席日数が関わっておらず、他の労働者と同等に働ける

これらの条件を満たしていると加入対象となるため、雇用時に学生である場合は、きちんと雇用主にその旨を伝えるべきです。

正社員以外でも雇用保険の加入対象?

「雇用保険は正社員だけが加入するもの」というイメージを持っている方もいるかもしれません。しかし、正社員以外の雇用形態であっても加入すべき場合があります。

パートタイム労働者

パートタイムやアルバイト、派遣社員などの非正規で雇用されている労働者は、基本の条件に加えて、以下のいずれかの条件を満たしている場合は雇用保険の対象内です。

・雇用期間に明確な期限などが決まっていない

・契約が更新され、31日を超えても勤務を続ける

・契約当初は雇用見込みの対象外の期間だったが、契約の延長などにより31日以上の勤務となった

以上の条件を満たした時点で、非正規労働者であっても加入対象とみなされます。

日雇労働者

企業とその日ごとに契約を結び働く「日雇労働者」も、適用事業所に雇用される形であれば、条件を満たし被保険者となります。この場合ほかの一般労働者とは異なり、「日雇労働被保険者」となるのが特徴です。

しかし、日々別の企業に雇用されるのではなく、同一の事業所で「31日以上の継続雇用」や「2か月のうち18日以上続けて働く」という場合は、日雇労働被保険者ではなく通常の被保険者となります。このケースでは、事業所ではなく被保険者本人が職業安定所への手続きが必要です。

季節労働者

雪国の冬に欠かせない「雪かき」のように決まった季節のみ雇用されるなど、短期間の雇用を習慣としている労働者を季節労働者と呼び、雇用保険上では「短期雇用特例被保険者」に該当します。季節労働者の条件は、以下になります。

・季節に左右される仕事であること

・1年を通して4か月以上雇用されること

・週の所定労働時間が30時間を超えること

季節労働者が失業すると、一般の失業手当にあたる「特例一時金」が受け取れます。そのため、短期間しか働かない場合であっても、加入条件を満たしているかをしっかり確認しておきましょう。

雇用保険の対象外になるケース3つ

ここからは、雇用保険の加入対象外になるケースを3つ紹介します。一般労働者であっても、ときに該当する場合があるため注意が必要です。

1.取締役や会社の役員

会社の取締役や役員は、加入対象外です。これは、雇用保険があくまで「労働者」を軸にした制度のため。労働者は、各事業所において指揮や監督に従い「使用され、労働力を提供する対価として報酬を得る者」とされています。

一方で、取締役や役員は事業所側として「指揮や監督を行う者」にあたります。一部の「従業員を兼務している取締役」などは従業員としての条件を満たせば対象となる場合もありますが、原則は対象外であると考えるべきでしょう。

2.労働条件に変更があった場合

労働条件が変更され、基本の加入条件を満たさない雇用形態になった場合、保険の対象外となります。たとえば、「一週間あたりの労働時間が変更され20時間に届かなくなった」「労働見込みに必要な日数の見込みがなくなった」などです。

労働条件の変更により対象外となったケースは、元は条件を満たし雇用保険に加入していた可能性が高いため、必要に応じ雇用保険の喪失手続きを行います。

3.複数の職場で働いている場合

複数の職場で働いており、「それぞれの職場の労働時間や日数を合わせれば加入条件を満たしている」という場合でも、対象外と判断されるケースがあります。加入条件は、同じ事業所、事業主のもとで満たす必要があるためです。基本の条件である労働日数や時間は、複数の職場を合算しての計算はできません。

たとえば、〇社での労働が週に15時間、△社では6時間としましょう。この場合2つの労働時間を合算すれば21時間となり、一見条件を満たしています。しかし合算はできないため、いずれの職場でも労働時間が不足しています。その結果、加入不可となるのです。

まとめ

雇用保険は、離職や休職などの有事に際し、労働者の生活や権利を守る大切な制度です。失業や休業によって受け取れる各種の給付金は、受給に際し雇用保険に加入していることはもちろん「加入期間の長さ」を重視される場合があります。

そのため、少しでも長く雇用保険に加入し続けられるよう、働き方を考えるのもひとつの手段であるといえるでしょう。



Recommend

Biz Plus

Recommend

求人情報サイト Biz x Job(ビズジョブ)

求人情報サイト Biz x Job(ビズジョブ)