新進の女性歌手、Anonymouz(アノニムーズ)(20)の新曲「Unbreak(アンブレーク)」の配信が22日、各種音楽配信サービスで始まった。東京都美術館(台東区)で開催中の「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」のテーマ曲として自身で書き下ろした。
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同展は、消されていたキューピッドの画中画が修復により現れたヨハネス・フェルメールの「窓辺で手紙を読む女」の公開が話題だが、曲名のUnbreakも「修復」という意味だ。「大切な人を失って、やがて時間が心を修復する。優しい恋の歌です」とAnonymouz。劇的なバラードで、特徴である美しい歌声がいつまでも耳に残る。
「歌うことだけを楽しみたい」と顔などは隠し、「匿名」の英単語(anonymous)をもじってAnonymouzを名乗っている。平成31年3月から歌詞を自ら英訳したJポップのカバー動画を「ユーチューブ」に投稿。再生回数が1100万回を超えるなど注目の歌手だ。
Unbreakは3番の旋律が2番までと異なる。大胆で自由な構成は「心が修復され、見る世界が変わったと気づくところを表現したかった」と説明する。会場で貸し出されている音声ガイドで聴くこともできるが、「高音が強くならないよう、優しく裏声で歌い、美術館で作品を鑑賞する皆さんに寄り添えるよう心がけました」という。
修復により生まれ変わった「窓辺で手紙を読む女」そのもののような歌であり、美術展への「優しい恋の歌」でもある。(石井健)