• 日経平均25935.62-457.42
  • ドル円135.18135.24

水際対策3月緩和も入国者数制限 経済界「不十分」

新型コロナウイルス感染拡大に伴い実施された水際対策が3月1日から緩和され、1日当たり入国者数上限が3500人から5千人に引き上げられるほか、新規入国を原則禁じられていた外国人もビジネス関係者や留学生らの入国が認められる。経済界は人的交流の再開を歓迎するものの、依然として他国より厳しい入国規制を懸念。「まだ十分とは言えない」とさらなる緩和を求める声も相次ぐ。

「商社のビジネスは人脈づくりがものを言う。現地に出向くことが大事なので、水際対策の緩和は歓迎する。ただ、今回の措置でどれぐらい元に戻れるかは、まだ読めない」

政府の水際対策で出張などの制限を続けていた大手商社の幹部は、入国者数の上限が設けられたままの緩和で出入国環境がどれだけ改善するか見定めている。

経団連の十倉雅和会長も「国際的な人の往来に道を開く」と評価しつつ、「日本はグローバル経済の一員であり、特殊な島国ではいけない」と訴え、さらなる緩和を求めた。

日本の水際対策をめぐっては、これまで国内外から「コロナ鎖国」などと非難され、ようやく政府が緩和措置に踏み切る。ただ、欧米の主要国では既にワクチン接種証明などがあれば人数の上限なしで入国を可能としているケースも多く、日本の対応は遅れている。

出入国在留管理庁によると、コロナ禍が本格化した令和2年以降に留学の在留資格の事前認定を受けながら未入国となっている外国人は約15万2千人に上る。人流が停滞していることを表す一例だ。

日本商工会議所の三村明夫会頭は、厳しい入国規制による企業の人手不足や留学生の日本離れが懸念されるとし、「今となっては水際作戦のデメリットの方が圧倒的に多い」と訴えた。

関西の企業でも、海外出張を原則禁止としている農機大手のクボタは「対応は変わらない」、電機大手のパナソニックも「現時点で大きな影響はない」と事態の推移を見守る考えだ。

観光客の入国は3月以降も制限される。日本百貨店協会によると、3年の全国百貨店の訪日外国人客による免税売上高は、コロナ禍前の元年比86・7%減と依然厳しい。百貨店関係者は「ビジネス客から徐々に戻ると思うが全然少ない」と話し、国内需要の喚起策や電子商取引(EC)の強化で巻き返す考えを示した。

入国者の移動手段となる航空分野では、ANAホールディングス(HD)と日本航空の大手2社が「あくまで需要が上向いたら増便などを検討する」と静観の構えだ。いずれも国際線の運航率を当面は令和2年度の運行計画比で2~3割程度にとどめる予定で、緩和後も直ちに引き上げることはしないという。

ANAHDの広報担当者は「観光客の入国が認められないと、大きな変化はないだろう」と指摘。日本航空も現時点で予約状況に変化はないといい、広報担当者は「緩和すること自体には感謝するが、そこまで大きな動きはないのでは」と同様の見方を示している。


Recommend

Biz Plus

Recommend

求人情報サイト Biz x Job(ビズジョブ)

求人情報サイト Biz x Job(ビズジョブ)