新型コロナウイルスのオミクロン株によって、今年に入り、最大で36都道府県で蔓延(まんえん)防止等重点措置が適用された中、山梨県は数少ない不適用県となっている。これを可能にしているのが、山梨県独自のコロナ対策だ。医療強化型宿泊療養施設やホームケアなど他にない取り組みで、感染者の段階に応じて対処している。対コロナの医療体制「山梨モデル」で第6波を乗り切る正念場を迎えている。
隣接5都県は適用
「周辺自治体と異なり、この第6波にあっても、蔓延防止等重点措置を国に要請していないことは、異質に映るかもしれない」
隣接する東京、埼玉、神奈川、静岡、長野の5都県が適用となる中、山梨県だけが適用対象になっていない現実を、長崎幸太郎知事はこう表現した。医療崩壊や感染爆発を起こさせていないことで、県独自の取り組みに自信をみせる。
感染防止と経済の両立を目指す「山梨モデル」では、すでに飲食店の感染防止策を県が認証する「グリーン・ゾーン認証」が全国的に評価された。医療提供体制についても独自の取り組みが成果をあげている。
入院以外で医師のケア
行政が最も怖れることは、重症患者向けの病床を確保できなくなることだ。山梨モデルは「軽症ならば入院という形態以外でも医療を提供する」という点が〝肝〟となっている。
まず昨年夏、デルタ株による感染第5波の際、医療強化型宿泊療養施設を開設。他の都道府県でも看護師が巡回する形の宿泊療養施設を開設していたが、山梨県では医師や看護師が24時間常駐し、酸素吸入や薬の処方などの医療行為が可能。事実上の医療施設として活用でき、その分、本来の病院の病床は重症者や高齢者に振り向けられる。
スマホに状態を入力
さらにオミクロン株拡大の中で、今年1月からホームケアを開始。デルタ株より感染力は強いが重症化リスクは低いオミクロン株の特性から、医師の診察で感染者が軽症・無症状であり、重症化リスクの高い基礎疾患がないことなどを確認できれば、本人や同居人の了承を得て自宅療養とするものだ。感染者は毎日2回、スマートフォンで体温や酸素飽和度などの情報を入力。その情報を医師らが常に把握し、感染者の体調悪化にすぐに気付くことができ、入院などに切り替えることができる。































