「ワークマン」がキャンプ市場に本格参入 「周回遅れ」で繰り出す販売戦略

初心者向けセットが1万円以下で

商品開発にあたって着目したのは増加著しいビギナー層だ。遊びとはいえ、ギアにプロ品質が求められている市場に、ウェアで培ってきた高機能素材とワークマンならではの低価格で切り込む。投入した130アイテムのうち、特に開発に注力したのがテントや寝袋、チェアやテーブルといったファニチャー類だ。購入しやすい価格帯や、リーズナブルでも譲れない機能等について経験豊富なアンバサダーの意見を徹底的に取り入れ、作り上げた。

主力製品の一つが、ウェアにも採用されている撥水素材を使いながら4.900円に抑えた1人用テントだ。ローチェア1780円、スリーピングバッグ1500円等と組み合わせれば1万円以下で一通りの必需品を揃えることができる。

1人用のベーシックドームテントとローチェア、ベーシックスリーピングバッグ、アルミテーブル、LEDランタンの一式が1万円以下で購入できる。テントのラインナップには同社独自の防虫、防融加工を施した素材を採用したシリーズも展開(SankeiBiz編集部)
1人用のベーシックドームテントとローチェア、ベーシックスリーピングバッグ、アルミテーブル、LEDランタンの一式が1万円以下で購入できる。テントのラインナップには同社独自の防虫、防融加工を施した素材を採用したシリーズも展開(SankeiBiz編集部)

土屋氏が「一押し」するアイテムは、ワークマンで一番人気の防寒ジャンパーをそのまま応用した寝袋だ。羽毛に化繊綿を加えることで保温と吸湿の双方を両立。足元には反射熱で温める銀素材を採用するなど細部にもこだわって税込み7800円に抑えた。土屋氏によると、こうしたウェアにもギアにも応用できる生地の「横展開」が低価格を実現できる強みでもあるという。

ワイドミシックドームテント(税込み1万7800円)。4人用のファミリーテントでインナーテントのメッシュ部分には同社独自の防虫加工を施した生地「DIAGUARD」を採用(SankeiBiz編集部)

キャンプギアの販売はウェブで注文を受け付け、店頭で受け取るという無在庫販売方式を採用する。店頭での「販売スペースの限界」という物理的な問題もあるが、「フランチャイズ展開で各店舗の売り上げを維持するという狙いもある」(土屋氏)という。現在全国に970店舗ある受取拠点は2030年までに1500店舗に拡充する方針。都心への出店も順次予定しているという。

キャンプギア部門の初年度の売り上げは40億円を見込むが、主力製品に関しては反応次第では増産体制も可能だという。土屋氏は「130アイテムを展開するなら将来的には100億程度の売り上げを目指したい」と意欲を示している。

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