「30分の面接」で何が分かる?三井物産の“斬新すぎる”選考方法が映す採用事情

導入した施策の中で特にユニークなのは「合宿選考」だ。まさに30分の面接×3回ではわからない求職者の実態を明らかにすることができる。地味だが本質的に物事を考えたり、周りの人を巻き込んで成果を出す学生を採用することができる。単に合宿を行うだけでなく、ケーススタディーなども導入した。そのケーススタディーの方法もユニークだ。演劇形式でビジネス上のやり取りを再現し、これにどう立ち向かうかを判断する。俳優まで活用し、やや高圧的な中年男性、クールに事実を述べる若手女性などが登場し、取引のトラブルにどう向き合うかなどを体験するというものだった。

さらには、「いま、内定している企業をすべて断れ」など就活を終わらせることを迫る“オワハラ”(就活終われ、終わらせろハラスメント)の対策に、「オワハラ相談ホットライン」まで開設し学生の相談にのった。「三井物産がここまでやるとは」「ここまで変革が行われたとは」とよく驚かれるという。私も驚いた。しかし、これも採用活動の現実。総合商社「三井物産」として、真摯に求職者と向き合う姿があったのだ。

勝ち組?「総合商社」に対するイメージ

そういえば、あれはもう30年前だったか。「ウィナー」という俗語があったことを思い出した。「総合商社」の社員と「人生の勝者」をかけた言葉だった。本当にそう呼ばれていたかは謎だが、昔も今も総合商社は誤解されているのだと思う。いかにも大手企業であり、派手な世界と思われがちだ。

実際、総合商社は貿易だけでなく、事業の開発や投資など業務は多岐に渡っているし、広がり続けているが、地味で泥臭い仕事でもある。就職難関企業とされているが、入ってからも大変だ。事業が拡大しているということは、競合企業も広がっているということ。採用活動においても、他の総合商社だけでなく、日本のビッグビジネス、さらには外資系企業と闘わなくてはならない。

就活が真っ盛りのシーズンだが、採用担当者も真剣であることを確認しておきたい。求職者の未来だけでなく、会社と社会の未来がかかっているのだ。

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