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「30分の面接」で何が分かる?三井物産の“斬新すぎる”選考方法が映す採用事情

最近、教え子たちから毎日のように「エントリーシートを見てください」「模擬面接をお願いします」という連絡が入る。つまり、新卒の就活シーズン真っ只中ということである。新型コロナウイルス感染拡大から3回目の就活は、昨年同様に早期化、オンラインと対面のハイブリッド化が顕著だ。企業としては、これからの時代に対応した人材の採用がキーワードになるだろう。

※画像はイメージです(Getty Images)
※画像はイメージです(Getty Images)

学生の企業研究が“ブラック企業探し”に?

私は、昨年同様「決められない」学生が増えることを懸念している。早期からインターンシップや選考があり、1月時点ですでに1割強の学生が内定を持っているというが、企業の採用活動でオンライン化が進んだことで、就活生たちは組織風土を体感しにくくなっている。それが影響してか、これからの時代に「最初に入るべき会社」はどこが良いのか慎重に見極めているのだろう。大学生協などで業界・企業研究に関する本がよく売れているのがその象徴である。

ブラック企業かどうかにも敏感だ。先日、さまざまな大学の“前のめり学生”たちを前にオンライン講演をしたが、業界・企業研究が「ブラック企業探し」にすり替わっているようにも見えた。コロナ前のように、内定者懇親会などでつなぎとめることや、口説き落とすこともできない。オンラインで就活を続けることができるので、内定をいくつ持っても決められない学生が増える。もっとも、決められないのは企業が動機形成やクロージングをうまくできていないためとも言えるのだが。

ここで確認しておきたいのは、企業の採用担当者も試行錯誤を繰り返しているということだ。ビジネスモデルが変わったことで求める人材も変化する上、求職者の動きも読めない中で採用活動をやりきらなくてはならない。

そんなときに、ふと採用担当者をしていた頃を思い出した。あの頃は、心技体を総動員し疲れ果てた日々だった。求める人物像をめぐって、経営陣や現場の管理職からの厳しい要求に向き合ったり、説明会を何度も開催したり、面接のセッティングや内定辞退者のフォローを行ったり、内定者合宿や内定式の企画運営と、よく働いたと思う。特に内定辞退と向き合う瞬間は辛かった。採用担当者としての自分、さらには現状の自社の至らない部分を痛感した。

あまりに斬新…三井物産の「合宿選考」

求職者も採用担当者も読んでおきたい一冊がある。『三井物産が変える人材採用』(古川智章・清水英明 弘文堂)である。その名の通り、三井物産が採用活動変革の取り組みを、惜しげもなく公開したものだ。著者のひとり、人事総務部人材開発室長を務めた古川智章さんは採用責任者となり「30分の面接×3回で何がわかるのだろう?」と疑問を抱いた。三井物産が大切にしている「挑戦と創造」を採用活動でどう具現化するかを考え、採用変革に取り組んだのだった。コロナ前から始まった取り組みであることを前提として読まなければならないが「大・三井がここまでやるのか」と膝を連打してしまう本である。


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