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ウクライナ情勢で中断した参院予算委 判断に遅れも

24日の参院予算委員会は、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて一時中断した。岸田文雄首相と関係閣僚を国家安全保障会議(NSC)に出席させるためで、国会として一定の危機管理能力を示した形だ。とはいえ、緊迫した情勢に対処するにはさらなる迅速な判断も必要で、なお課題は残る。

立憲民主党の蓮舫氏が「国家安全保障会議(NSC)を開くべきだ」との主張に中断する参院予算委=24日午後、国会・参院第一委員会室(矢島康弘撮影)
立憲民主党の蓮舫氏が「国家安全保障会議(NSC)を開くべきだ」との主張に中断する参院予算委=24日午後、国会・参院第一委員会室(矢島康弘撮影)

「NSCを今すぐ開くべきではないですか。私たち予算委員会は柔軟に対応します」

立憲民主党の蓮舫氏は24日午後の予算委で、首相にこう提案した。蓮舫氏の発言を受けて予算委は中断。首相や林芳正外相ら関係閣僚は予算委室から首相官邸に移り、NSCに臨んだ。

NSCを経て国会に戻った首相は「委員会の許しをいただいてNSC4大臣会合を開催した。配慮いただいたことに感謝申し上げる」と述べた。

国会の慣例として、首相とはいえ、国会の許可がなければ退室や欠席は許されない。蓮舫氏の発言が発端となった今回は異例の対応となったが、水面下では自民党側からも予算委の中断を求める声が上がっていた。与野党の国会対策担当者や予算委理事らが協議の末に折り合い、首相の途中退席を認めたのが実情だ。

国際的な情勢変化にあたり柔軟な対応を示した格好だが、課題も残る。ロシアによるウクライナ侵攻は、24日昼頃から海外メディアを中心に伝えられ、緊迫の度合いは増していた。本来であれば午後の予算委の開始時間をはじめから延期し、政府としての対応に当たることがより望ましかった。

しかし、実際に予算委の中断が認められたのは午後の質疑開始から1時間以上たってからだった。この間、質問に立った立民の小西洋之氏は、冒頭でウクライナ情勢を1問尋ねたほかは、政府の新型コロナウイルス対応の追及に大半の時間を割いた。

コロナ対策も重要とはいえ、結果として緊迫する国際情勢の中で首相はコロナ批判への答弁に追われ、邦人保護の指揮を執るべき林氏は予算委室に拘束されていた。こうした光景に、ある自民党議員は「ばかげている。国会はもっと早く中断を判断すべきだった」と嘆いた。

仮に台湾や尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で有事や武力攻撃に至らないグレーゾーン事態が発生すれば、政府は事態認定を含め迅速な決断を求められる。そんな中で「1時間以上の国会対応」に追われれば、致命的な遅れにつながる危険もはらんでいる。(石鍋圭)


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