厚生労働省は25日、令和3年の人口動態統計の速報値を発表した。出生数は84万2897人(前年比2万9786人減)で、6年連続で過去最少を更新した。死亡数は戦後最多の145万2289人(同6万7745人増)。2年に11年ぶりに減少したが、再び増加に転じた。出生数から死亡数を引いた人口の自然減は、過去最大の減少幅となる60万9392人。人口減少に歯止めがかからない実態が浮き彫りになった。
:quality(50)/cloudfront-ap-northeast-1.images.arcpublishing.com/sankei/WOA6YV4BTJJORE3D4SQCSENVME.jpg)
出生数をめぐっては、妊娠から出産までの期間があるため、2年に本格化した新型コロナウイルス禍の影響は3年に出るとみられていたが、厚労省の担当者は「減少の度合は全体としては従来と大きく変わらない」と説明した。
婚姻件数は戦後最少の51万4242組(同2万3341組減)、離婚件数は18万7854組(同8787組減)だった。
人口動態統計の速報値は日本における外国人や外国における日本人などを含むが、確定値は日本における日本人のみ。このため、例年、出生数は速報値と確定値では3万人程度の差が生じる。担当者は確定値について「80万人を下回らないのではないか」とみている。