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国境目指す市民たち「独裁者の暴挙 歯止めない」 ウクライナ西部ルポ

ロシアのウクライナ侵攻を受け、同国西部の古都リビウは様相を一変させた。国境を越えて隣国ポーランドへ脱出しようとする人々が各地から殺到。市内のガソリンスタンドでは給油を待つ長い車列ができ、スーパーでは男女たちが食料を買い求めた。平和な暮らしを奪われ、恐怖と不安におののく人々の姿があった。

ポーランドに向かうウクライナ側の検問所の近くには長い車列ができていた=24日(佐藤貴生撮影)
ポーランドに向かうウクライナ側の検問所の近くには長い車列ができていた=24日(佐藤貴生撮影)

ロシアの侵攻に備え、徹夜で仕事をしていた24日午前5時(日本時間同日正午)ごろ、突然、米CNNが「ウクライナ各地への攻撃が始まった」と報じ、記者(佐藤)はホテルを飛び出した。

首都キエフから約500キロ離れたリビウ市街に変わりはなかったが、しばらくすると、約150キロ離れた北東の町ルツクが砲撃されたとの情報が入る。午前8時前には、教会や石畳の美しい古都に警報のサイレンが響きわたった。避難のためスーツケースを引いて街中を慌てて移動する人の姿も見られた。

その後、ロシアによるウクライナ各地への空爆の状況が伝わり始めると、街はあわただしさを増した。

スーパーには客が押し寄せ、大量の品で膨らんだ買い物袋を抱えた男女が出てくる。ガソリンスタンドやATM(現金自動預払機)の前にも人々が長い列を作った。

正午ごろ、約70キロ離れたポーランド国境のシェヒニ検問所に着くと、すでに2~300人が越境を待っていた。ロシアとの国境に近いウクライナ北東部スムイから来た無職、アレクさん(55)は「ポーランドの娘の所に行く。スムイの友人からは『銃撃戦が始まった』と聞いた。いつ家に帰れるか分からないが、命より大切なものはない」と話した。

同様にポーランドに越境した弁護士の女性(22)は「国を捨てて逃げるのは2度目。どんな国も政府も信じない」という。

ルカシェンコ大統領の独裁が続くベラルーシの首都ミンスク出身。両親が民主化活動を行ったとして治安当局の尋問を受けたため、昨年暮れに監視を逃れて単独で出国。世界遺産としても知られる古都リビウに居を構えたばかりだった。

「ルカシェンコの下で国民は精神的に参っている。彼やプーチン(露大統領)の暴挙には歯止めがない。命を守るために安全な場所に行くしかない」と話した。(ウクライナ西部リビウ 佐藤貴生)


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