1日で38%下落…値動き激しい暗号資産 それでも投資したい人に知ってほしい「歯止め利かない金融商品」の実像

暗号資産はコロナ禍で最高値も、テーパリングで調整へ

「暗号資産(仮想通貨)、特にビットコインなどは2020年3月中旬から2021年4月までの約1年で約10倍まで価値が上がっています。半年前と比較しても約5倍と急スピードで…」(広告コピーより引用)

このような魅力的なコピーや若手有名人が出演する広告をきっかけに、投資目的での暗号資産(仮想通貨)に興味を持っている方もいるのではないでしょうか。

▼ビットコイン、最高値の3カ月後には40%減

暗号資産(仮想通貨)は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済不安から、資金の逃避先の一つとなりました。世界的な金融緩和マネーも流れ込み、2021年後半にかけて上昇は続き、代表的な暗号資産であるビットコインは11月に史上最高値を付けました。しかしその後、暗号資産のマーケットは急変します。FRB(米連邦準備制度理事会)のテーパリングや早期利上げ観測の広がりから急落。ピーク時から4割減(2022年2月時点)といった状況です。

先行きは、「さらに下落する」といった警戒や、「回復する」との期待まで見方はさまざま。投資指標(株式の場合、割安・割高が分る株価収益率<PER>などの指標が相当)もなく、視界不良です。

▼暗号資産購入を検討するときに大事な2つのこと

それでも年単位の時間軸でみると、暗号資産は上昇トレンドでしっかりと儲けることができる面はあります。購入を考えるときに大事なことは、この2点です。

  1. 暗号資産をしっかりと理解すること
  2. 失っても生活に影響のない余裕資金のなかで、少額に抑えて取組むこと

特に、孫子の兵法の名言「敵を知り己を知れば百戦してあやうからず」にあるとおり、まずは暗号資産を理解することです。

今回は、暗号資産とはどのような資産であり、どんな特性を持つか、取り巻く状況・環境の変化などを解説します。最後に、株式などの一般的な金融資産とは異なる上昇・下落要因など、購入する際の注目点・留意点を見ていきます。

インターネット上で流通する電子的な「暗号資産」の実像

▼誤認をおそれ、「仮想通貨」から「暗号資産」に

そもそも暗号資産とは、インターネット上で流通し、決済・送金などに用いられる電子的な資産(財産的価値)であり、代表的なものとしてビットコインやイーサリアムなどがあります。円やドルなど法定通貨と異なり、国籍がありません。

金融庁が2020年5月に、法定通貨と誤認する可能性を踏まえ、改正資金決済法の施行を機に「仮想通貨」といった呼称を「暗号資産」に変更しました。価値(価格)の変動の大きさが「通貨」にはふさわしくないといった考え方によります(図表参照)。

通貨の3大機能から見る暗号資産「ビットコイン」(筆者作成)

▼暗号資産「ビットコイン」の登場

たくさんある暗号資産のなかで、ビットコインは、取引高、取り扱う取引所の数、流動性など他を圧倒する代表的な存在。その他にイーサリアム、リップルなどたくさんの暗号資産があり、全世界に2000種類以上あるといわれています。

▼人間の欲望により変質した「ビットコイン」

暗号資産の先駆けであり、代表的存在のビットコインを改めて紹介します。

ビットコインは、2009年5月「サトシ・ナカモト」(当該人物の正体は不明)と名乗る人物の論文が起源です。既存の金融システムの高い送金手数料などに反目して、「中央集権的な統制から外れた自由な通貨」を創造するサトシ・ナカモトの考え方に共感したエンジニアたちが開発し普及させました。

当初は、価値が安定した通貨として、決済や送金の機能を果たすものと期待されました。しかし、法定通貨との交換レートが定まっているわけではなく、その価値は乱高下していきます。投機マネーの流入で、短期間でバブルが生じることや、数日で3~4割価値を下げることもあり、ボラティリティ(価値の変動率)の高い資産としてその名が世に広がります。「価値が変動するものを人々は投機の対象としてしまう」といった人間の性(サガ)が暗号資産を変貌させました。

ビットコインは、支払い手段や送金手段として期待されましたが、実際には投資・投機対象として関心を集める存在となったのです。

▼ITが生み出した暗号資産…一般的な金融資産との違い

2008年までこの世に存在しなかったものが、IT技術により突然「暗号資産(仮想通貨)」として登場しました。その背景にあるIT技術と特性などを見ていきます。

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