東京都は25日、新型コロナウイルスの感染状況を分析するモニタリング会議を開き、オミクロン株の亜種「BA・2」の感染を昨年12月以降、2月21日までに疑い例も含めて35件確認したと明らかにした。このうち少なくとも25件は市中感染だった。会議に出席した東北医科薬科大の賀来満夫特任教授は「感染力が強いといわれており、警戒が必要だ」と述べた。
/cloudfront-ap-northeast-1.images.arcpublishing.com/sankei/ANKZKRZIOBI3VOXDSMJOSIXVOU.jpg)
都が緊急事態宣言の発令基準とする重症病床使用率は35・7%(23日時点)で、16日時点の31・5%からわずかに上昇した。感染者数はピークを過ぎて減少傾向にあるが、重症者は遅れて増えてくる傾向にあるため専門家は今後の動向に注意が必要だと訴えた。一方、酸素投与が必要な入院患者の割合は、25・8%(16日時点)から22・4%(23日時点)に低下した。
7日間平均の新規感染者数は1万3057人(23日時点)で、16日時点の1万4564人から減少した。増加スピードに比べて減少は緩やかなため、国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は「同規模の感染状況が長期化する危機にある」と指摘した。これに対応し、都は臨時医療施設の開設などによって病床を積み増し、25日時点で7229床確保したと公表した。
小池百合子知事は「感染減少傾向を確かなものとし、自らの身を守るためにも、引き続き混雑を避けるなど感染拡大を防ぐための行動を徹底してほしい」と呼びかけた。