【ワシントン=塩原永久】バイデン米大統領は米東部時間24日午後(日本時間25日未明)、ホワイトハウスで演説し、「ロシア軍がウクライナの人々に残虐な襲撃を始めた」と非難した。プーチン大統領が「責任を負うことになる」と強調。ロシア主要銀行への金融制裁や、ハイテク製品の輸出規制を柱とする追加制裁を発動すると発表した。
ロシア軍のウクライナ侵攻後、バイデン氏が公の場で話すのは初めて。同氏は「プーチン氏が戦争を選んだ」と指摘したうえで、欧州連合(EU)や日本、英国などと「連合を築き上げた」と語り、連携して対露制裁を発動する方針を表明。「プーチンを国際舞台の『のけ者』にする」などと述べた。
追加制裁では、ロシア2位の大手銀行VTBなどの主要行に金融制裁を科す。軍事技術の近代化などに用いられるハイテク分野で、米国技術が用いられた部品などの対ロシア輸出を厳しく規制する。
ロシアの政府幹部や、プーチン氏に近い関係者らへの資産凍結などの制裁も拡大する。ロシア軍の出撃拠点のひとつとなったベラルーシも制裁対象に含めた。
ただ、国際決済網である国際銀行間通信協会(SWIFT)からロシアを排除する案は先送りした。バイデン氏はさらなる追加措置の準備があると示唆。プーチン氏個人への制裁も視野に入れているという。