【ワシントン=渡辺浩生】米国防総省のカービー報道官は25日の記者会見で、ウクライナに侵攻を続けるロシア軍に対して「ウクライナ軍が反撃しており、勇敢に国を守っている」と述べ、首都侵攻に迫る露軍部隊への抵抗が続いていると明らかにした。
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報道官は、ウクライナ側にある程度の戦火があったとの見方も示し、同国の自衛のため追加的な軍事支援を続ける考えを示した。
一方、同省高官はウクライナの戦況について、ロシア軍が予想した以上のウクライナ側からの抵抗に遭っている、と指摘。キエフに進軍する部隊を含めて「いくらか勢いを失っている」との評価を示した。
高官によると、ロシア軍は人口が集中する主要都市の掌握や制空権の確保には至っておらず、ウクライナ軍の指揮系統やミサイル防衛システムは保持されている。ロシアの攻撃は依然として初期段階とみられる。
ただし、全面侵攻開始から短距離弾道ミサイルを中心にした空爆は200発以上に及んだ。軍事目標が大半だが、住民の居住区にも一部は着弾したという。
高官は、北部、東部、南部の3方面からの侵攻は続き、港湾都市のマリウポリ近くで海軍歩兵部隊による水陸両用作戦が行われた、と語った。
ただ、ウクライナに侵攻したのは国境沿いやベラルーシに展開するロシア軍の戦闘部隊の3分の1程度とみており、兵力の大半が温存されているとみられる。