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露経済、制裁で大混乱 底つくATM、一部富豪も「反戦」

【モスクワ=小野田雄一】ウクライナ侵攻をめぐる米欧の対ロシア制裁を受け、ロシア経済が早くも大混乱の様相を呈している。露通貨のルーブルは暴落し、国民は銀行のATM(現金自動預払機)に長蛇の列をつくった。プーチン政権を支えてきた富豪のオリガルヒ(新興寡占資本家)からも今回の軍事行動に否定的な声が出始めた。

SWIFTのロゴ(手前)とロシア国旗=25日、ボスニア・ヘルツェゴビナ(ロイター=共同)
SWIFTのロゴ(手前)とロシア国旗=25日、ボスニア・ヘルツェゴビナ(ロイター=共同)

過去1年間、おおむね1ドル=70ルーブル台前半で推移していたルーブルは侵攻初日の2月24日、1ドル=90ルーブル近くに下落。ロシアの主要金融機関を国際決済ネットワーク「国際銀行間通信協会(SWIFT)」から切り離すとの米欧日の方針決定を受け、28日には一時1ドル=120ルーブル近くに下がった。

専門家の間では、SWIFTからの排除により、今年のロシアの国内総生産(GDP)は少なくとも3%縮小するとの見方が強まっている。

露中央銀行は28日、政策金利を9・5%から20%に引き上げると発表。通貨安に伴うインフレを抑えるのが目的だが、同時に景気を冷え込ませるのは必至だ。今回の制裁で対象となっている露中銀は外国為替市場でルーブル買い支えの介入を行うことが難しく、今後もルーブル安は進行するとの観測が強い。

プーチン大統領は同日、輸出企業などに対し、今年1月以降に得た外貨収益の80%を売却するよう義務づける大統領令に署名した。

一般国民の間では、クレジットカードを使えなくなったり、通貨安が進んだりすることへの不安が広がり、手持ちの現金や外貨を増やす動きが加速している。28日には各地でATMの現金が底をつき、引き出し不能となった。

オリガルヒの一部からも侵攻を批判する声が上がる。露アルミニウム大手「ルスアル」創業者のデリパスカ氏は27日、自身のSNS(会員制交流サイト)で「平和が重要だ。早く停戦交渉を始めるべきだ」と表明。28日にも「(ウクライナ南部クリミア半島をロシアが併合し、制裁を受けた)2014年は耐えられたが、今回は無理だ」と危機感を示した。

27日の英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)によると、露金融大手「アルファ・グループ」総帥のフリードマン氏(3月1日辞任)も「戦争は何も解決せず、数百年間も兄弟関係だった両国民を傷つける」とするメッセージをロンドンの従業員に送った。


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