他の自治体にふるさと納税をすれば、短期目線では自分が得するようには見えます。ところが、実のところ、地元自治体の税収が減りますので、長期目線では損をしてしまいます。私は、そのように思うのです。
さらには、この法律ができた精神から乖離した、高還元率の“返礼品合戦“には、疑問を感じざるを得ません。ふるさと納税サイトは、まるで“カタログショッピング”のような作りになっており、先に応援したい自治体を選ぶのではなく、先にお得な商品を探すような作りになっています。トップページに人気商品ランキングまで見られます。
また、国と自治体の間で裁判にまで発展したケースもあります。「ギフト券100億円分プレゼント」キャンペーンを打った自治体に対し、最高裁は上告審判決で、「社会通念上、節度を欠いていたと評価されてもやむを得ない」と苦言を呈しています。
「損して得取れ」という言葉もありますように、一見損をしているようで、実はそれが得ということもあるものです。逆に、ふるさと納税をして、得しているようで、実は損しているのかもしれません。ふるさと納税の精神や仕組みを知ることで、別の何かが見えてくるかもしれませんね。
おけいどんの適温生活と投資日記(FIRE評論家、世界の増配株投資家)
最後に、私の考えを記述しておきます。そもそも論としまして、私は生まれてからずっと今の自治体に住んできましたから、ふるさと=今の自治体です。そんな私が、他の自治体にふるさと納税をすれば、法律ができた趣旨から逸脱します。また、地元自治体の税収が減り、自分が損するとも思います。従いまして、私は、ふるさと納税をしたことがありません。FIREしてからも個人で仕事をしており、収入がありますので節税効果は見込めそうですが、この先もふるさと納税をするつもりはありません。
ふるさと納税はしませんが、別の地域貢献として、昨年から、地元「子ども食堂」でボランティア活動をしています。さらに、人生の晩年には、地元自治体に、高規格救急車を寄贈する目標があります。トヨタのハイメディック、価格にして2500万円程度になります。これらを「おけいどん式」ふるさと納税の答えとしています。