威風堂々としたスタイルから、スバルのフラッグシップとして漲(みなぎ)る自信がうかがえる。レガシィをベースにアクティブなデコレーションを施した「レガシィ アウトバック」は、スノーロードの王者に君臨する風格すら漂うのだ。
SUVワゴンを超える走り
レガシィ アウトバックと、ベースになったレガシィの識別点は明確だ。車高を高めたことで悪路走破性を確保。前後のフェンダーやバンパー下部の樹脂製のプロテクターは、キャンプサイトやゲレンデなどの枯れ枝や氷岩を厭わないタフさの象徴だ。ルーフには頑丈なレールが組み付けられている。長逗留でも不足がない積載能力がある。そもそもステーションワゴンなので荷室には余裕がある。週末や連休で足を伸ばすアクティブなユーザーがターゲットなのだ。
だが、ステーションワゴンであるという点がレガシィ アウトバックの肝になる。背が高いSUVもアクティブユーザーの期待に応えるに違いないが、ステーションワゴンはそんなSUVよりも全高が抑えられている。それによって重心高が低く、優れた操縦安定性が得られるのだ。キャンプサイトやゲレンデに辿り着けば、SUVとて圧倒的な悪路走破性を披露する。だがそこまでの道中、乾いた路面のワインディングや高速道路での安定感はSUVを圧倒するのである。
それゆえにレガシィ アウトバックの走りは上質だ。乗り心地は高級セダンに匹敵するほど心地いい。決して小さくないボディのその重みを重厚感に置き換えている。スバルのフラッグシップらしさに満ち溢れているのだ。
もちろんスバルが得意とする4WDシステムは、圧倒的なトラクション性能を誇る。スノーロードでもスタックで立ち往生する気配は微塵もない。深い新雪であってもズシズシと踏み込めた。
エンジンは水平対向4気筒1.8リッターターボ。先代の2.5リッターNAからのダウンサイジングであり、燃費が改善された上に大幅なトルクアップに成功している。山坂道をグイグイと力強く登ることが可能になった。