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国産ワクチン、追加接種や小児用参入を狙う

開発中の新型コロナウイルスワクチンに関する追加接種の治験で効果と安全性が確認されたとして塩野義製薬は4日、追加接種の承認申請を先行する考えを示した。現在、国内ではワクチンの2回接種率は約8割に上るが、3回目接種は副反応を敬遠してか伸び悩む。ワクチン開発で海外勢に後れをとってきた塩野義をはじめ日本の製薬企業は今、追加接種や小児向けの開発を急ぐ。副反応の少なさや保管のしやすさが、接種機会の拡大につながる可能性もある。

塩野義がこの日発表した追加接種の治験の結果では、米ファイザー製に比べて有効性は劣らず、発熱や頭痛といった副反応が生じた割合は低かったとした。同社は「自信を持てる結果。追加接種での承認取得を先行していくことも検討する」とした。

米ファイザーや米モデルナと同じ、メッセンジャーRNA(mRNA)を用いたワクチンを開発してきた第一三共も、これまでの開発方針を見直し、今年から追加接種を優先した治験を始め、年内の実用化を目指す。一方、当初は今年3月末までに開始するとしていた未接種者向けの最終段階の治験を9月末までの開始に延期した。

国内の2回接種率は約8割に達し、追加接種も本格化していることから、まずは追加接種に注力する。同社は既存のmRNAワクチンとは異なり、冷蔵保存できるmRNAワクチンの実用化を目指しており需要を見込む。担当者は「今、この技術を実用化しておくことで、次の感染症のパンデミックに備えることができる」とも強調する。

「追加接種で使えなければ、国内で普及できない」

2月、植物由来の新型コロナワクチンの承認をカナダで取得した田辺三菱製薬の担当者もこう話す。カナダの子会社の開発品で、日本の製薬企業として初めてコロナワクチンを実用化した。国内では未接種者向けの治験を進めており、承認申請は7~9月を目指す。2回接種後の発熱の頻度は1割未満で、追加接種の治験も検討している。

KMバイオロジクス(熊本市)も追加接種の治験を医師主導で始めており、その結果次第で企業治験を始める予定だ。開発するのは従来のインフルエンザワクチンと同じ不活化ワクチンというタイプ。長く使われてきた分、「安全性への信頼が蓄積されている」(同社広報)として、今後は小児用ワクチンの開発も視野に入れる。

ファイザーなど欧米の巨大製薬企業のほか、中国やインドの企業がワクチン開発を成功させる中、周回遅れと揶揄(やゆ)されてきた日本勢は安全性や利便性を生かせる開発を進めている。


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