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今こそアナログからデジタルへ 物価上昇時に転落する「ザル家計」の致命的共通点

PRESIDENT Online

あらゆる商品・サービスが値上げされている。ファイナンシャルプランナーの山崎俊輔さんは「2022年は『物価上昇元年』で今後、数年値上げが続く可能性もある。家計の赤字転落を阻止するために、日々の支出をチェックして浪費をなくすような対策を即実践すべき」という--。

※写真はイメージです 写真=iStock.com/Bet_Noire
※写真はイメージです 写真=iStock.com/Bet_Noire

昨今、モノの値段はじわじわ上がり始めている

最近、値上げについてのコラムを書く機会が増えてきた。書くタイミングによって「値上げ品目リスト」がどんどん増えていることを感じる。

昨年末は牛丼とガソリンの値上げが話題となった。今年に入ってからは電気代、食パン(小麦)、サラダ油、カップ麺と生活必需品に幅広く値上げが拡大している。

駄菓子の値上げなども大きな話題となっているようだ。10円が12円だと笑っている人も多いが、40年以上据え置きを続けていた価格が20%上昇すると考えれば、象徴的だ。

今回の一連の値上げトレンドの興味深いところは、値上げ幅が数%にとどまらないことだ。牛丼が387円から426円に値上げされたと考えればこれは10%の値上げになるし、カップ麺等の上昇幅は品目によるが5~12%と報じられている。

過去にも、1リットルの牛乳を900ミリリットルのパッケージにし価格据え置きとするようなステルス値上げが行われ、実質的に10%相当の値上げといえたが、「5%超」「10%超」といった値上げが相次ぐと、家計としてはもはや無視できないものとなってきた。

ガソリン代の値上がりが一過性のものとなるかはまだ読めないものの、これも値上げ幅は大きい。こちらはもはや10%どころの騒ぎではなくなってきている。

2022年の値上げトレンドは価格据え置きガマン比べ終了のお知らせ

まだ年明けから2カ月の段階で、今年のトレンドを語るには早すぎるかもしれないが、ひょっとするとこの値上げ傾向はこれから何年も継続する「物価上昇元年」のスタートラインなのかもしれない。

一般論としていわれる価格上昇要因のいずれもが値上げの必要性を示している。

まず、人件費の高騰。少子高齢社会の到来は非正規の若者を低コストで使う時代ではなくなった。アルバイトの最低賃金も都市部では上昇し、それでも人材を確保できない状況にある。同一労働同一賃金の取り組み、社会保険適用拡大の取り組みなどもあいまって、企業が正社員なみの雇用をすれば、人件費をセーブすることは困難だ。

次に、原材料費の高騰だ。消費者の手元で価格上昇がある前段階として食材や工業製品の原材料コストが跳ね上がるわけだが、多くの分野でその傾向は報じられている。かつては低コストで原料を輸入できたはずが、もはやその常識が通じなくなっているわけだ。

そして、輸送コストの上昇。ここで無視できないのは円安トレンドとガソリン原油価格の上昇だ。

いずれにせよ、企業が「価格据え置きを耐える」という限界が近づいているとみたほうがよさそうだ。値上げによる客離れを恐れたガマン比べ大会も、2022年、終わりを告げようとしているのかもしれない。

5年後振り返れば問題なくとも、2022年は気を引き締める

値上げ問題、短期的には生活に大きな影響を及ぼすだろう。しかし、5年くらいのスパンでみたときは、賃上げによってその多くがフォローされることになるはずだ。例えば、物価上昇が5%あっても、賃金上昇が5%以上あれば生活は支障がない理屈になるからだ。

賃上げなんて起こりっこないというのはデフレ時代のイメージだ。インフレが定常的になってくれば、賃金上昇率が物価上昇率に追随する(やや上回る)のが経済の基本である。アメリカではコーヒーショップの店員時給が1900円と報じられるが、これも物価高と連動した形だ。

ただし、問題はある。賃金上昇のタイミングは1年後になるということだ。収入が増えたとしても、それは1年後の話なのだ。

今年の春闘では物価上昇を先取りする賃上げを目指して、政治的な働きかけもなされているが、「今年の物価上昇」を「翌年の賃金上昇」でカバーするのが基本的な流れだ。5年あるいは10年後の経済統計をみれば、「年平均5%の物価上昇」と「年5.5%の賃金上昇」のように総括できるだろう。

しかし、個人の家計はそうはいかない。「物価上昇元年」になるかもしれない今年は、値上がりが先んじてやってくるため、これを乗り越えていかなければならないのだ。

私たち日本人は20年以上、物価上昇を体感していない。狂乱物価を記憶しているのはもはや年金世代といっていいくらいだ。

だとすると「物価上昇元年」の家計管理がきわめて重要になってくる。


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