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ビッグカツ工場が仮想空間に メタバース時代の企業広報 「中の人」問題も

広報戦略「中の人」VRでは?

VR空間で企業のブランドイメージを高める施策では昨年11月、自動車大手の日産が東京・銀座のショールーム「NISSAN CROSSING」をVRChatのワールドに再現した。今年1月には、温室効果ガスを実質ゼロにするカーボンニュートラルへの取り組みを伝える日産のイベントに活用されている。

また、20年にはKDDIと東京都渋谷区などが協力して「バーチャル渋谷」が誕生。「cluster(クラスター)」というアプリを使ってスクランブル交差点周辺を疑似体験することで、アフターコロナの観光事業に弾みをつけるのが狙いだった。

広島東洋カープのロゴが入ったパッケージもVR空間で再現
広島東洋カープのロゴが入ったパッケージもVR空間で再現

現実に近い仮想空間などを意味する「メタバース」が流行語になる中、VRを活用した広報活動がさらに活発化するとみられる。すぐるは日産やKDDIに比べれば小さな企業ではあるが、実はVR活用には約3年前から取り組んでいた。

創業者の大塩季郎氏から数えて3代目で、取締役と広報担当を兼任する大塩和孝氏はこう話す。

「当時はオリジナルのアバターを作り、イベントなどを通じてVRChatのユーザーと交流していました。まだメタバースという言葉が流行る前でしたから、日本のユーザーも現在ほど多くなかったと思います」

だが、アカウント名などから企業の人だと分かると、VRChatでの交流相手から敬遠されることもあったという。Twitterでは企業公式アカウントの運用担当者、通称「中の人」が一般ユーザーとゆるくつながることがブームになったが、文字ではなく音声でやり取りをするソーシャルVRプラットフォームでは、同じやり方が必ずしも有効ではなかったようだ。その点では、バーチャルビッグカツ工場のように誰でも入れる「場所」にユーザーを呼び込んでファンを増やしていく方針が、シャイな日本人に合っていると言えるだろう。

すぐるでは、広報活動だけでなく他社との情報交換の場としてもVR空間を活用している。大塩氏によると、業務にVRを取り入れることで2つのメリットが生まれたという。

「1つ目は先進的なIT技術に触れる機会を増やせること。先日、VRChatがOSC(電子楽器などに関係する通信プロトコル)に対応しましたが、こうしたテクノロジーを広報に生かせないかといつも考えをめぐらせています。もう1つは(仮想空間を作る)設計者の視点で考えて、後々のことを想定しながら事業計画を練る習慣がついたことです。どちらも駄菓子の仕事だけでは身につかないものかもしれません」

社員から3代目が遊んでいると思われないように頑張ります――。大塩氏は、VRが会社をより良くする可能性を信じているように明るく話した。



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