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90分でも60分でもなく…「10分間のカセットテープ」が今一番売れているワケ

PRESIDENT Online

「ニッチな需要」に応え続けたい

そのほか、英会話の勉強やカラオケ大会へ提出する際のデモ音源など、シニア世代の勉強や娯楽目的に10分テープは有効活用されているという。

しかし、コロナ禍の影響でカラオケの需要が減っていることもあり、苦しい状況に立たされているのは否めない。

三浦さんは「新型コロナウイルスの影響で生活様式も変化し、直近では復調の兆しが見えてきているので、これからもできるだけニッチな需要に応えられるようにビジネスを継続していきたい」と話す。

カセットテープ自体は全盛期ほどの勢いにはないものの、近年の「昭和レトロ」ブームや70~80年代に流行した「シティ・ポップ」が再評価されていることで、若年層にもカセットテープの“真新しさ”が注目されてきている。

若年層にもカセットテープの魅力を訴求する

マクセルもカセットテープの需要を喚起すべく、マーケティング手法を変えている。昔のように大々的にテレビCMを打つのではなく、若者に受け入れられるような工夫を凝らして、カセットテープが根絶しないように企業努力をしているそうだ。

「最近では、音楽アーティストがカセットテープで楽曲を出すなど、アナログへの回帰が注目されていると思っています。デジタル音源やストリーミングにはない味のある音や、カセットテープならではの懐かしさを楽しむコアな音楽ファンにも見直されてきていると感じています。こうした状況を踏まえて、2020年には若年層に手に取ってもらえるようなパッケージのデザインに刷新し、試行錯誤しながらカセットテープの魅力を絶やさないように努力しています」

アナログもデジタルも、顧客満足度の高い製品開発を続けたい

インターネット環境が急速に広まり、テクノロジーが進化したことで、情報の記録はクラウドサーバーでの管理が当たり前になった。

それでも、カセットテープやCD、MD、DVDといったハードウェアの記録媒体もしばらくは残り続けることだろう。

全国の量販店のPOSデータをもとに、パソコンやデジタル家電関連製品の年間販売数No.1を決める「BCN AWARD」という賞がある。マクセルはCDメディア部門、DVDメディア部門、BDメディア部門の3部門で5年連続年間販売台数シェアのトップを誇っている。

※BCNが全国の量販店のPOSデータを日次で収集・集計した「BCNランキング」に基づき、パソコン関連・デジタル家電関連製品の年間(1月~12月)販売台数第1位のベンダーを表彰するもの。

いわば記録媒体のリーディングカンパニーとして、今後も記録メディア事業をライフソリューション事業部のひとつの顔として据えながら、コンシューマー事業を展開していくという。

「記録メディア事業はマクセルにとってルーツであり、今後もお客様のニーズに合わせて顧客満足度、価値の高い製品を提供していければと思っています。それが長年トップでやってきている会社の使命であり、市場の牽引役としてこれからも尽くしていきたい。また、弊社としては除菌消臭器やシェーバーなどの健康・理美容製品が新しい事業の柱にもなっているので、お客様のライフスタイルや志向が多様化するなか、お客様の声に真摯に向き合い、柔軟に対応をしていきながら、アナログからデジタルまで顧客満足度の高い製品開発を行っていきたいと考えています」

古田島 大介(こたじま・だいすけ)

フリーライター

1986年生まれ。ビジネス、ライフスタイル、エンタメ、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている。

(フリーライター 古田島 大介)



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