ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、中小・零細企業の間でも先行きに対する不安が広がり始めた。経済制裁による取引停止で、比較的多くをロシアから輸入する海産物では品不足や価格高騰が懸念されており、売れ行きが先細りする恐れが出ている。中小・零細企業は財務基盤が脆弱(ぜいじゃく)で、コスト増に見舞われても自社の商品やサービスに価格転嫁できないケースもある。新型コロナウイルス禍で苦境に立たされているだけに、さらなる経営環境の悪化に警戒感を強めている。
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「今はチリ産のサケを扱っているが、ロシア産が入らなくなれば供給不足は必至。他の産地のものも価格が上昇しかねず、売れ行きにも影響が出かねない」
東京・上野の「アメ横商店街」で海産物販売を行うカネ上三幸商店(東京都台東区)の販売担当者はこう心配する。サケ・マス類の輸入額に占める国別の割合ではロシアは3番目に多い。
6割以上をロシアからの輸入に頼るカニにいたっては深刻さを増す。同業の大東商店(同)の販売担当者は「新型コロナの影響でタラバガニの水揚げが減少したため、昨年末は一昨年よりも価格が3割程度上がった。ロシアからの輸入が止まれば、さらに上がるだろう」と警戒する。