南紀白浜空港(和歌山県白浜町)に隣接し、飛行機の離着陸が一望できる「南紀白浜空港展望広場(空港公園)」をビジネス拠点とする県の事業で、完成後の今夏には、公園を散策する人が利用できる駐車台数がこれまでの70台から数台程度に減る見込みだ。もともと駐車している車が少なかったことから、有効活用を目指して取り組んだ事業だが、公園だけを楽しむ人は駐車スペースの確保が難しくなる可能性がある。
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空港公園は県有地で、空港から約500メートル離れた高台にあり、約6千平方メートル。標高約110メートルで、空港や近くの人気レジャー施設「アドベンチャーワールド」など一帯を一望できる。だが70台止められる駐車場はこれまで、空きスペースが多かった。
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このため県は、眺望がよく、空港にも近い駐車場スペースなどを、働きながら休暇もとるワーケーションの場やIT企業のオフィスなどにするビジネス拠点を計画。整備・運営する事業者を公募した。
昨年2~3月の公募の結果、東京の建設コンサルタント会社と和歌山市の建設会社が共同事業者に決まった。20年間、県有地を貸し出す。駐車場を含む約2900平方メートルの敷地に、延べ床面積約千平方メートルの木造平屋建ての建物を建設。7室分のレンタルオフィスやワーケーションに使えるシェアスペース、セミナールームなどを備え、太陽光パネルも設置する。昨年11月に着工、今年8月に完成予定。総事業費は約4億円で、県が3千万円を補助する。
ただ、現在は工事のため駐車場は使えないが、完成すれば、公園だけを利用する人が使える駐車台数は工事前の70台から大幅に減る。
県商工観光労働総務課によると、まだ細かい駐車台数は決まっていないが、ビジネス拠点利用者と公園利用者を含めて全体でも二十数台で、うち公園だけを利用する人が駐車できるのは「3~4台程度」という。飛行機の離着陸などを見るために、団体などが訪れれば、すぐ満杯になることが予想される。
同課の担当者は「公園の駐車場はもともと使っていても数台で、まったく車が止まっていないこともあった」と説明し、「もし満杯になれば、空港の駐車場に車を止めて歩いて公園まで来てほしい」と呼びかけている。 (張英壽)