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遊休地活用で「車中泊」のインフラ整備を マナー問題解消しつつ観光誘致に

違反の根本原因は需要とインフラの不一致

そんなマナー問題をめぐる“いたちごっこ”の解消策として、いま注目されている取り組みの一つが、同協会が推進する認定事業「RVパーク」だ。

オートキャンプ場であれば、駐車場所の回りにもテントを張ったり、炊事用具を使ったりするためのスペースが必要。一方、RVパークは「車中泊」を前提とし、簡易的な駐車場事業として展開できる特徴がある。RVパークの認定条件は、4メートル×7メートル程度の駐車スペースで、複数日の宿泊滞在ができることなど。24時間使えるトイレや100V電源を備え、ゴミ処理ができ、至近に入浴施設があることも要件としている。こうした条件を満たせば、RV協会公認の「くるま旅施設」としてPRできる仕組みだ。

山梨県にあるRVパークサクラリゾート。従来からあった観光施設の駐車場5台分をRVパークとして活用。施設が充実している上に釣り場、登山、テニスなどのアクティビティも楽しめる。観光の名所である昇仙峡まで30分と至近で、観光拠点として人気が高いという。他にも遊園地が駐車場の一角をRVパークとして活用する等、様々な形で車中泊対応が拡大している(日本RV協会)
山梨県にあるRVパークサクラリゾート。従来からあった観光施設の駐車場5台分をRVパークとして活用。施設が充実している上に釣り場、登山、テニスなどのアクティビティも楽しめる。観光の名所である昇仙峡まで30分と至近で、観光拠点として人気が高いという。他にも遊園地が駐車場の一角をRVパークとして活用する等、様々な形で車中泊対応が拡大している(日本RV協会)

RVパークは温泉街等の観光施設や道の駅に隣接する空き地、遊園地等の様々な施設で設置が進んでいる。RV協会へは昨年、過去最多の約260件にも上る問い合わせがあり、このうち55施設が認定を取得。今年3月現在で全国におよそ250カ所がRVパークとして稼働している。

設置が急増している背景は、マナー問題に苦慮する施設側の対策…というよりもむしろ、車中泊のファンを観光客として誘致したいという地域の思惑だという。駐車用の土地とトイレや充電設備を用意すれば、費用がかさみがちな“宿泊スペース”は観光客自らが持参する。余っている遊休地を利用して観光客の拠点を確保し、そこから温泉や飲食店など既存の観光資源への人の流れを作ろうという観光地が増えているのだ。

しかも車で訪れる観光客の行動範囲は広く、市街から離れた場所への集客も見込めるメリットがある。鉄道で訪れる観光客の動きが駅周辺や公共交通機関のルート近くにとどまることと対照的だ。

RVパーク認定にあたって施設側が負担する登録申請料は3万円で、登録料は年間1万円と比較的ハードルも低い。利用料は施設によって異なるが、1泊平均2000~3000円ほどで、宿泊料金や移動にかかる費用を抑えながら広く移動したい旅行者にとってもメリットは大きい。

「車中泊をしている人に話を聞くと、その行為がマナー違反だと認識していない人も少なくない。どこに行けば堂々と車中泊ができてサービスを利用できるのか、その“受け皿”を用意することが重要」だと強調する髙橋氏。「マナー違反を指摘し、追い出しているだけでは何も変わらない。むしろ車中泊を新しい旅のスタイルとして定着させるべき。そのためにマナー対策と地方創生策の双方を両立できる仕組みを構築していきたい」と意欲を示す。年内に500カ所のRVパーク開設に向けて取り組んでおり、将来的には1000カ所の認定を目標としている。


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