昨年開学した芸術文化観光専門職大学(兵庫県豊岡市)の学長で劇作家、演出家の平田オリザ氏が9日、大阪市内で開かれた関西プレスクラブの会合で「芸術文化観光の未来」をテーマに講演した。演劇など芸術を通して地域の活性化を目指す豊岡市の取り組みを紹介しながら、「日本に海外から人を呼び込むためには、文化観光のコンテンツを充実させていくことが大切だ」と語った。
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住まいや活動拠点も東京から豊岡市に移し、芸術文化を中心に人材の育成にも取り組む平田氏。舞台芸術に特化した滞在型の城崎(きのさき)国際アートセンターや豊岡演劇祭に触れ、「この町で子供たちが国際的なアーティストに触れ合える。大学ができて若い人が増えた。地域で夢が実現できる」と地域の可能性を語った。
一方で、「海外の観光客に日本のリピーターになってもらうためには魅力的なコンテンツが必要。特に日本が弱いのは夜のエンターテインメント」と指摘。日替わりで演目を上演しているウィーン国立歌劇場などの例を挙げ、「そういう文化観光を企画、運営、実行する人材を育てていきたい」と述べた。