東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から間もなく11年。福島県大熊町の高台に立つと、原発を取り囲む広大なエリアで埋め立て工事が進んでいた。原発事故後、福島県内で除染により発生した廃棄物(除染廃棄物)を集中的に管理・保管する中間貯蔵施設だ。東京ドーム約11個分にあたる膨大な量の除去土壌などの搬入が、今年度末までにほぼ完了する見込みになった現場を見た。
広さ約1600ヘクタール
中間貯蔵施設は福島第1原発と同様、大熊、双葉両町にまたがって造られており広さ約1600ヘクタール。県内の除染作業で地面を削るなどして発生した除去土壌などが、各地の仮置き場からここに集められている。
搬入開始は平成27年3月。それ以来、前面に「除去土壌等運搬車」と掲げ、黒いフレコンバッグを積んだダンプカーが、県内各地を走り続けている。
中間貯蔵施設に搬入予定の除染廃棄物は、帰還困難区域のものを除き約1400万立方メートル。このうち、今年1月末までに約1261万立方メートルの搬入が終わり、環境省は「今年度末までにおおむね輸送が完了する見込み」(福島地方環境事務所)としている。搬入が始まる前、県内には1300を超える仮置き場があったという。