悩むことが分かっていても「好奇心」のままに アート市場を研究するフェデリカ~女子編

    アートアドバイザーもやっている。コレクターに作品選択の助言を行う。これには2つの楽しみがある。

    一つ目は自分を信用してくれる人を通じて、自分の財力では手の届かない作品を選べる。二つ目は、あまり知られていないが価値のあると思われる作品をつくるアーティストの力にもなれる。

    ミラノデザインウィークの見学も欠かせない
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    しかし、そこで前述したような、グローバルな表層的潮流と衝突することがある。それをなんとか突破しようとするのがフェデリカだ。

    彼女はローマで生まれた。人文系の血統を受け継いでいる。父方の祖父、ルチアーノ・コディニョーラは劇作家で、画家のマルク・シャガールを客として自宅に招くような文人だった。1960-70代のイタリア文化を語るには欠かせないオリベッティの文化事業にも関わっていた。

    父親、ルーカ・コディニョーラは歴史の教授。母親、ガブリエッラ・フェルッジアは米国文学の教授だ。旅行に行けば、朝7時には母親に叩き起こされる。そして美術館をはしごする。その街に有名な作家の生誕の場所があれば、そこに連れていかれる。クラシック音楽のコンサートや劇場にもでかけ、若い女の子が好むようなお店は行かない。

    フェデリカの転機はジェノバに家族で引っ越したことだ。地中海に面する港町は「文化的に閉鎖的で、美術館にいけば(ジェノバのある)リグーリア州に縁のある作品ばかりです。そこから逃げ出してフランスの大学へ留学しました」と話す。

    一見開放的に見える土地も、住む人の志向との兼ね合いで窮屈になる。この反発が彼女の人生を拓いた。

    大学では文学を学んだ。それまでも異文化理解やコンテンポラリーアートに興味あったが、フランスの学生生活で更に関心が進んだ。


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