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販売数「年間2本」から急増、昨年はコロナ前比17万% 親指ピアノ・カリンバの魅力

楽器の販売を手掛ける山野楽器は、新型コロナウイルスの感染が拡大する前と後の販売数を比較した「楽器売り上げアップランキング」を発表した。1位はアフリカの民族楽器「カリンバ」で、なんとコロナ前の17万%に上った。爆発的な伸び率の裏には、以前はほとんど売れていなかったという事情があるものの、アウトドアレジャーでの演奏といった時代をとらえた要因がヒットにつながったようだ。

カリンバ(山野楽器提供)
カリンバ(山野楽器提供)

山野楽器はコロナ禍前の2019年と、コロナ禍2年目にあたる2021年の各楽器の販売数を比較して増加の程度を示すランキングを作成した。これによると1位はカリンバでコロナ禍前比の17万3850%、2位は電子ドラムで同268%、3位はPA(音響)機器/デジタル楽器で202%だった。

大きく販売数を伸ばしたカリンバは「親指ピアノ」とも呼ばれ、両手で持って、櫛の歯のように並んだ金属の薄い板(キー)を親指ではじくようにして音を出す楽器だ。オルゴールのような優しい音色が特徴的で、米人気グループ「アース・ウインド&ファイアー」の「カリンバの歓喜誘惑(Kalimba Story)」という曲で使用されたことがある。

とはいえ日本人には馴染みが薄く、広報担当者は「元々(19年)が年間で2本と、ほぼゼロに近い本数でした」と明かす。これが21年、若い女性やシニア層などに幅広く支持されて3477本に伸びたため、17万%という数字につながったわけだ。

山野楽器によると、任天堂のゲームソフト「あつまれどうぶつの森」にカリンバが登場したことを発端にカリンバの認知度が上がっているという。また、昨年末には俳優でアーティストの香取慎吾さんがNHKの情報番組「あさイチ」でカリンバに挑戦したことも拍車をかけたとしてる。山野楽器が取り扱うキョーリツコーポレーションの「ONETONE」ブランドのカリンバは2000~3000円台で、手軽に購入できる価格帯だったことも販売数の大幅増に寄与したとみられる。

メディアに後押しされる格好でヒットしたカリンバだが、時代にマッチした楽器であることも確かなようだ。

奏でる音は小さくても「癒やされる」というファンは多く、近所迷惑になりにくいため、家で過ごす時間が増えたコロナ禍後の生活スタイルに合っている。手軽に持ち運べる大きさであるため、「3密」を避けられるとして人気のキャンプやアウトドアレジャーの際、屋外で演奏する使われ方もあるという。楽譜が読めなくてもキーに刻印された音階と番号が視覚的に演奏をサポートしてくれるので、初心者でも演奏できるそうだ。

広報担当者によると、手指の運動などの目的で高齢の親に贈るプレゼントとしての需要もあった。カリンバの柔らかい音色の奥に深い味わいがあるように、ヒット商品の裏側には意外なニーズが隠れているようだ。


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