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昨年衆院選 一票の格差 是正取り組み 評価割れる

昨年の衆院選の「一票の格差」をめぐり全国の高裁・高裁支部に起こされた訴訟についての判断は「合憲」がやや優勢だったものの拮抗した。最大格差が改善の「目安」とされる2倍をわずかに超えたことに加え、国会での格差是正の取り組みをどう評価するかで分かれた形。今後、示される最高裁大法廷での統一判断が注目される。

一票の格差は、司法府(裁判所)の判断を受けて立法府(国会)が制度改革に動くことから「キャッチボール」に例えられる。

最大格差が2・43~2・13倍だった平成21、24、26年の衆院選について、最高裁が3回連続で「違憲状態」と判断したのを受けて、国会は28年、小選挙区定数を「0増6減」とする法改正を実施。人口比を正確に反映しやすいとされる議席配分方式「アダムズ方式」の導入を決めた。

同方式は、5年ごとに行われる国勢調査のたびに適用する。29年には経過措置として19都道府県97選挙区の区割りを見直した。こうした成果により同年の選挙時には、平成6年の小選挙区制への移行以来、最大格差が初めて2倍未満の1・98倍となった。

このため、29年の選挙をめぐる一票の格差訴訟では高裁段階で合憲15件、違憲状態1件に。30年の最高裁大法廷判決でも、裁判官15人中11人の多数意見で「合憲」と判断された。ただ、残る4人のうち2人が違憲状態とし、2人は「違憲」とする反対意見を述べた。「一部選挙区は無効にすべき」と、厳しい見方を示した裁判官もいた。

今回の一票の格差訴訟では、格差が2倍超となった選挙区が、29年の選挙ではゼロだったのに、前回選挙で29に増えたことを厳しくとらえる一方、令和2年の国勢調査の速報値が公表されたのが投票日の約4カ月前だったため、「国会が合理的期間に是正しなかったとはいえない」とする見方もあった。

国会では現在、アダムズ方式導入に伴う小選挙区を「10増10減」する区割りの議論が進むが、自民党の一部で見直し論が出るなど、先行きは不透明だ。

関西大の木下智史教授(憲法学)は、今回の一票の格差訴訟の結果について「合憲、違憲状態と分かれた判断からは、各裁判官が頭を悩ませながら判断した様子がうかがえる」と指摘。「司法は国会の様子を注視している。よりよい『キャッチボール』が求められる」と指摘した。(原川真太郎)


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