不登校生徒の支援教室、市内全ての中学校に 茨城・守谷、4月から

    不登校の生徒の学校への復帰を支援しようと、茨城県守谷市は4月から、こうした支援を行う「適応指導教室」を全市立中学4校に設置する。名称は「フリースペース」。市によると、市内全中学への設置は県内で初めてという。市教委は「不登校の理由や原因はさまざまだが、子供たちの居場所を作って、やがては不登校の解消を図りたい」と話している。

    適応指導教室は、不登校の児童・生徒に対し、集団生活に適応したり、基礎学力をつけたりするための指導を行い、学校復帰を支援する施設。主に市町村の教育委員会が設置する。

    文部科学省が昨年10月に公表した令和2年度の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査」によると、小中学校の不登校児童・生徒は19万6127人に上り、8年連続の増加で過去最多となった。

    守谷市教委によると、市内の不登校児童・生徒は昨年12月時点で小学校41人、中学校92人。市はつくばエクスプレスの沿線開発などにより子育て世代を中心に人口が増加。不登校児童・生徒への対策は急務となっている。

    市内にはすでに市総合教育支援センターに適応指導教室がある。だが、1教室だけで送迎も必要なため、利用者は小学生2人、中学生16人にとどまっていた。

    これを解決して1人でも多くの児童・生徒の学校復帰を支援しようと、昨年4月から市内の1中学校でフリースペースを試験的に設置。地元に近いため通いやすくなり、個別対応も充実させることができたという。市教委は「中学校への設置は、効果がある」として、全中学校を対象とすることを決めた。

    指導員には教員OBを配置し、悩みの相談や学習支援、担任や家庭との連絡調整などにあたる。通常の机といすのほか、休憩できる畳やベッドなどの設置も検討しているという。

    また、適応指導教室へ通っていることを知られないようにするため、登下校も通常とは異なった場所を設けるなどプライバシーにも配慮する。

    市教委は「将来的には全小学校にも広げたい」としている。

    (篠崎理)


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