東芝の分割計画をめぐり、会社側と「物言う株主」側の攻防が24日の臨時株主総会を前に激しくなってきた。筆頭株主の投資ファンド、エフィッシモ・キャピタル・マネージメントは10日、分割計画について「中長期的な企業価値の毀損(きそん)につながる可能性がある」として反対する考えを表明。米議決権行使助言会社インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)も反対を推奨するなど、東芝への風当たりが強まっている。
東芝は1日付で計画を推進する経営トップを刷新した。だが、エフィッシモは再編戦略の策定を主導した綱川智前社長らが唐突に代表執行役を退任したことや、島田太郎氏の社長就任が暫定的な人事であることを疑問視。「不可逆的かつ重大な影響を及ぼす経営戦略を適切に策定し、執行していくという重責を付託するに足る体制ではない」と指摘した。
その上で、エフィッシモはまずはステークホルダー(利害関係者)から信頼される経営体制を構築した上で、今後の経営戦略について議論を尽くすことが重要との考えを示した。
東芝は24日の臨時総会に向け、分割計画に株主の過半数の賛成を求める議案を出している。決議に法的拘束力はないが、否決された場合は計画の修正は避けられない。筆頭株主や多くの株主に影響を与えうる議決権行使助言会社が計画に反対する考えを表明したことで、東芝からみた情勢は厳しくなっている。